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「海外からの利用者向けサービスを強化へ」……楽天カード野村常務執行役員

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JCSIの調査結果 全 8 枚
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 これは業界をあげての取り組みの話になりますが、2020年のオリンピックに向けて、クレジットカードインフラの整備も当面の課題のひとつです。日本ではICチップ対応のカードの普及はおよそ60%と言われています。ICチップ対応のカードは地域差もあるのですが、不正利用対策には効果があるものなので、世界的にも普及が進められています。オリンピックでは海外からの旅行者がたくさん来日するわけですが、磁気読み取りだけのカードはスキミングの問題が懸念され、クレジットカード利用者も不安に思うでしょう。

 楽天では「楽天スマートペイ」という小型のICチップ型のカードリーダーとタブレット用アプリのサービスがあります。電卓サイズのカードリーダーはBluetoothでスマホやタブレットと通信できるので、カード決済のための機器や設備などほとんど必要ありません。従来型のCAT端末にもポータブルなものはありますが、スマホやタブレットがあれば楽天スマートペイの小型リーダーを購入するだけなので、導入コストが違います。カード情報は店舗に残らない設計ですので、お店も利用者も安心です。楽天スマートペイを使って、機会損失を抑えることも可能です。

--- 本日は、お忙しいところありがとうございました。


 JCSIの調査では、楽天カードの顧客期待の順位は6位だった。顧客期待は利用者がサービス利用の前に持っているブランドイメージや期待を示す項目だという。この項目の1位はアメリカンエクスプレスだ。それを考えると、カード会社としては後発に属する楽天カードは、利用前のイメージが中位というのも納得がいく。

 しかし、知覚品質、知覚価値で1位というのは、実際に利用したときサービスの品質がよかった、価格(カード利用にかかった費用)に対して納得感が高かったことを意味する。これが顧客満足度にもつながっているのだろう。サポートもしっかりしていて、年会費が無料で買い物ごとにポイントも貯まるという点が評価されたと考えられる。

 もちろん、楽天カードもこの評価を維持していくのは簡単ではない。会員数など伸びているうちは問題ないが、大手カード会社レベルのシェアを持ったとき、年会費やポイントプログラムの見直しの必要がでてくるかもしれない。一般論として、会員数が増えるほどシステムの管理コスト、サポートコストなどが膨らむからだ。

 このときポイントとなりそうなのは、野村氏が語ったような「楽天スマートペイ」のような仕組みだ。安心・安全に加え、レジ以外の場所でも会計ができたり、オンラインショップとの連携による新しい顧客体験の提供、利用者へのカード利用のインセンティブ、モチベーションの向上をいかに提供できるか。各社の取り組みも活発になってくるだろう。
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《中尾真二》

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