シニアはセグメントができていなかった……やずや、総研+出版事業で新市場を創る
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
新事業発表にあたって、最初に登壇した「やずや」代表取締役社長 矢頭徹氏は、「これまでやずやは食を中心とした『モノ作り』で価値を提供してきたが、これからは豊な『コト作り』を提供していきたい」と述べ、新事業の背景となる理念を説明した。矢頭氏いわく、現代はモノにあふれており、高度成長期やバブルを経験した世代には「モノ」よりも情報や価値のある「コト」が重視されているという。
さらに世界に類をみない高齢化社会に突入しつつある日本において、シニア層のマーケティングは「4~50代の現役世代から80、90代までひとまとめにしているのは問題ではないか」と疑問を投げかける。シニア向けの商品や情報というと、介護、終活、相続などキーワードでくくられることが多いが、このイメージは実際の60代くらいまでの層の考え方や価値観を反映していないと矢頭氏は述べる。
実際、海外留学をするシニアが増えていたり、アンケート調査で、若者より行動指向や新しいものに取り組む意欲の指標が上回ることもあると矢頭氏はいう。このような世代は、元気でお金もそこそこあり、時間もある。「シニア」と呼ばれることをよしとせず、第2の人生の質を見直そうと考えていると分析する。とくに、この指向は女性に強く、アグレッシブであるというのがやずや矢頭氏の主張だ。
やずやでは、50代、女性という属性に着目し、その世代に情報を提供すればもっと行動してくれ、新しい市場を創出してくれると考え、コトレシピ総研の立ち上げとコトレシピの大幅リニューアルを発表した。矢頭氏は、700万人という同社がもつ顧客リストをベースにさまざまな分析や調査をコトレシピ総研が担い、情報誌コトレシピがメディアとしてターゲットとする50代女性という層に対して、情報および市場コミュニケーションを提供する戦略だ。これに既存の食品通販事業と合わせて、新しいシニアマーケットを創出するのが狙いだという。
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