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シニアはセグメントができていなかった……やずや、総研+出版事業で新市場を創る

エンタープライズ 企業
代表取締役社長 矢頭徹氏
代表取締役社長 矢頭徹氏 全 12 枚
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 続いて「コトレシピ総研」の主席研究員となる橘川幸夫氏が登壇し、「日本の高齢化の進み具合は高く世界に比しても先行している。したがって、日本のシニアマーケットで開発された商品は、これからの世界商品になり得るものだ。総研の活動の中で、50代からの新しい市場・産業を作っていきたい」と意気込みを語った。橘川氏は、1972年に音楽雑誌「ロッキングオン」を立ち上げるなどメディアやマーケティング業界でのキャリアを持つ。コトレシピ総研には、顧問として元・子ども調査研究所 近藤純夫氏、元・博報堂生活総合研究所所長 林光氏らが就任する。

 情報誌「コトレシピ」については、編集長の田中敏惠氏が編集方針などを次のように説明した。「50代、60代はみなさんが思っている以上もっとロックでポップな人が少なくありません。編集方針は、雑誌としてのポピュラリティは押さえながら女性誌としてのエレガントさを追及します。また、情報は点ではなく面・立体を意識して背景などをしっかり紹介していきます。森を見て木を知るような雑誌にしたいと思っています。」

 表紙は毎号森山良子氏をフィーチャーしていくとし、新装刊号の特集では北陸を取り上げるが、金沢ではなく富山県南砺市を掘り下げるというこだわりを見せた。なお、コトレシピは新装刊となっているように、創刊は1年ほど前にさかのぼることができる。最初は旅行や音楽などカテゴリごとに分けた誌面を試験的に展開していた。5号ほど出版したところで、ターゲットすべき市場や編集の方向性が見えてきたとして、今回のリニューアルとなったそうだ。新装刊最初の号は2万部から様子を見るという。当初は隔月刊で発行するが月刊化を視野に入れている。

 発表後の質疑応答において矢頭氏は、総研や出版事業は健康食品の商品開発とはあまりリンクさせることは考えていないという。商品開発は独自に行っており手法も確立されているため、総研や出版事業は、開発の参考にはするが、新しいシニア層の市場・産業を作ることが主目的だという。そのため、事業スパンも5年から10年で考えているそうだ。

 雑誌の流通については、まずは書店流通が基本となるが、自社の通販チャネルやコンビニなども活用する考えがあるという。とくにコンビニ業界はシニア層へのリーチを考えており協業できる部分があるのではないかと矢頭氏は見ている。
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《中尾真二》

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