ID倉庫&ID運輸……大塚倉庫が構築する物流ロジスティクス
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
「われわれ運送会社にとって、配車業務は常に悩みの種。すべて手作業でやっていた時代は配車トラブルも多く、真夜中まで事後処理に追われる毎日でした。自動配車に挑戦したことも2回ありましたが、条件が変わるたびに正確性が失われ、結局実用にならなかった。そんな経験があったので、大塚倉庫さんからID運輸のプロトタイプを導入してみないかと言われたときも、効果があるのか半信半疑だったんです。ところが、いざ導入してみると、データがなかった導入直後こそ配車時間が延びましたが、データが蓄積されるにつれてあっという間に時間が短くなり、以前は数時間もかかっていたのが、今では30分で配車できる。かりにベテラン配車マンが病気や用事で休んでも配車が可能というのは魅力的。しかもスマホで受領証などの書類が自動処理されるようになったため、事務も楽になりました」
会議に出席した大分の運送会社、薬秀の薬師寺秀典社長は、「本当に、SFに出てくる未来世界を見たような気がする。私の会社でも、これまで配車をはじめ、いろいろな部分を人海戦術でやってきたのですが、ドライバーから一般社員まで、人材募集は困難になる一方。大塚倉庫さんが今後さらに成長していくとなると、それについていくにはわれわれも成長していかないといけない。新しいものはどんどん取り入れていきたい」と、ID運輸についての感想を述べた。
大塚会長は、「われわれと運送会社さんが共に儲かることが大事」と、ID倉庫、ID運輸開発の心を語る。倉庫業界というきわめてコンサバティブな世界の中で業容を3年で約30%成長させたことで注目を浴びた大塚倉庫。それを実現させたのは倉庫管理革命だったのだが、運送会社との協業をビッグデータを使って実現させるID運輸が、次なる成長を後押しするコアテクノロジーとなるかどうか、これから本格化する運用実績が大いに注目されるところだ。
《井元康一郎》
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