ID倉庫&ID運輸……大塚倉庫が構築する物流ロジスティクス 2ページ目 | RBB TODAY

ID倉庫&ID運輸……大塚倉庫が構築する物流ロジスティクス

エンタープライズ その他
大塚倉庫全国パートナー会議(4月10日)
大塚倉庫全国パートナー会議(4月10日) 全 8 枚
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 日用品、医薬品、食品・飲料の3分野に絞ったとはいえ、その荷姿も出荷量、出荷頻度もさまざま。それらの品目すべての動きをビッグデータによって解析し、どこに何を置けば効率が良いかを割り出す。さらに、入庫するものを倉庫のどの空きスペースに置けばいいかといった指示までを的確に行うシステムを、ソフトウェア会社と共同で開発。熟練者でなくとも“誰でもできる”倉庫管理を実現した。これが大塚倉庫の「ID倉庫」である。

 では、今回の全国パートナー会議で新たに大塚倉庫が提唱した「ID運輸」とは何か。一言で言えば、配送ルート・納品条件などの情報を運送会社と共有し、荷物の引き取りをいつ行い、配送先をどういう経路、順番で回ればいいか、運送会社のドライバーや配車担当の“勘と経験”、“気合と根性”に頼ることなく、最高効率でオペレーションすることを目的としたシステムだ。

 会議では、ID運輸についての詳細な解説も行われた。大塚倉庫が開発したアプリをiPhoneにインストールすると、今、どのような荷物の運送需要があるか、重量や荷姿、配送先といった情報がひと目でわかる。運送会社側がその荷物をアプリ上でドラッグアンドドロップすると、どういう順番で荷物を載せ、どういうルートで回ればいいかといった計画が、リアルタイム交通情報も利用しながら自動的に立案される。過積載の場合はちゃんとアラートが出て、他の車両との荷物の交換をしたり、荷物そのものを変更するといったシミュレーションも可能だ。また、大塚倉庫以外の荷物との混載も考慮され、さらには配送先にどのような駐車スペースがあるかといった軒先情報までわかるという親切設計である。

 今日、あらゆる業界で人手不足が取りざたされているが、運輸部門におけるトラックドライバーの不足はなかんずく深刻だ。そのような状況の中で、倉庫側が単に配車を依頼するというスタイルでは、ビジネスが成り立たなくなりつつある。取扱量が増えればなおさらである。

 「ID倉庫で倉庫内の管理を高度化するだけでは、物流全体の効率化はできません。現在、当社の納品を時間帯で分けてみると、午前中指定納品が7割、午後納品が3割という比率になっています。が、配車を合理的に行い、配送も迅速に行えるようになれば、現状では注文を受けても翌日午前に回さざるを得なかったぶんを、当日午後に配送できるようになる。それによって、午前と午後を平準化することができる。これを実現させ、われわれがより効率的な倉庫を目指すには、ID運輸は絶対必要なんです」(大塚倉庫関係者)

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《井元康一郎》

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