フレーバービール市場を開拓……キリンとサントリーを試飲した
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日本のビール市場では今までピルスナータイプのビールが主流で、新たな種類のビールは中々定着しなかった。しかし最近は、世界各国からの輸入ビールや、国内各地の地ビールやクラフトビールなどが店頭に並ぶようになり、ビールに対するニーズが多様化してきた。
そんな日本のビール市場に、キリンビールが2014年11月に「キリン フレビア レモン&ホップ」(以下フレビア)を、サントリービールが2015年3月に「サントリー ラドラー」(以下ラドラー)を投入。フレーバービール市場という新たなカテゴリー形成の動きがある。
いずれもレモン風味を加えたビアテイスト飲料(発泡酒)で、「フレビア」はレモン果汁0.3%、「ラドラー」は無果汁。日本でまだ馴染みの薄いフレーバービールだが、海外では若年層や女性を中心に“ミックスビール”や本来の“ラドラー”が人気を集めている。今回、これら2商品を試飲して、商品の魅力と市場の特色を探った。
●新規需要の開拓と市場の活性化を図る
大手ビールメーカーでいち早く「フレーバービール」商品を発売したのがキリンビールで、開発担当者が、「ビールが得意ではない人にも美味しく飲んでもらえる商品を作りたかった」というのが「フレビア」だ。流通・小売りのセブン&アイと協業し、“新価値創造型商品”として新規需要の開拓と市場の活性化を図る。300mlワンウェイびん入りで価格は213円。アルコールは3%。
「醸造技術とブレンド技術とを融合し、ホップの爽やかな香りをレモンが引き立てるようにした。ヘビーユーザーとライトユーザーの両方に好まれるバランスが難しかった」とキリン担当者は語る。2つの美味しい飲み物を“混ぜる”のではなく、「ゼロベースからひとつの飲み物を完成させる」というのが開発方針だ。レモン果汁を加える前のビール原液だけでは、おいしく飲めるような味になっていないらしい。
《高木啓》
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