【楽しい100人 Vol.6】「自分ののびしろ、可能性を信じ、道をみつける」……サイバーガーデン社長 益子貴寛氏 | RBB TODAY

【楽しい100人 Vol.6】「自分ののびしろ、可能性を信じ、道をみつける」……サイバーガーデン社長 益子貴寛氏

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サイバーガーデン代表取締役の益子貴寛氏
サイバーガーデン代表取締役の益子貴寛氏 全 3 枚
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 札幌で開催された第20回「北海道の楽しい100人」の登壇者の2人目は、サイバーガーデン代表取締役の益子貴寛氏。Webサイトの企画、設計、プロジェクトマネジメントなどWebマーケティング全般を手掛けている。

 2011年の東日本大震災をきっかけに、活動の拠点を東京都から北海道へ移した。居住する旭川市は、北海道出身の妻が学生時代を過した街であり、福島県の原発から750キロメートル近く離れていることも決め手だった。しかし北海道に来たものの、何をしたらよいのだろうと迷ってしまったという。

 約1年後、東京ほか全国各地で開催されているWeb制作や運営に関するセミナーイベント「CSS Nite」の札幌版セミナーに講師として参加したことをきっかけに活動を再開。長い東京での生活や、全国のイベントに呼ばれた経験も活かして北海道と他都府県とのパイプを太くすること、北海道に貢献することに自身の役割を見出したが、それでも道に迷っていた。「人の為と思って動いていると、自分の中が空っぽになってくるんですよね」。そんな時に訪れた転機が2013年の子どもの誕生だった。もう迷ってはいられなくなった。そして過去の呪縛からも解き放たれた。

 益子氏が苦しんだ呪縛、それは2005年に出版した著書「Web標準の教科書」だった。韓国語版も出版され、Webに携わる人にはよく知られた本であろう。「日本でも一つの時代を築いたといってもよい本ですが、自分を束縛するわけです。いつまでも『あのWeb標準の人』とみられる。その周辺の仕事しかこない。年齢にあわせて収入や社会的立場をあげていかなければいけないので、いつまでも技術的な事ばかりでは上手くいかないと思った」。

 そこで益子さんがあげたキーワードが「アンラーン=unlearn/学び捨て」。「自分がこれまで築き上げてきたものは、自分の力でもあるが、自分を縛る鎖のような存在でもあります。10年に一回はリセットしなくてはいけないと感じています。全てを捨てることはできないですが、自分の持っているもの、これからやりたい事をミックスして再構築しなければ時代に求められる人間ではいられないと個人的には思います」。

 「アンラーン」を実践するうちに、リスティング広告やSEO(Search Engine Optimization/検索エンジン最適化)などの仕事で声がかかるようになる。Webマーケティングを徹底的に勉強し、時間をかけて資格取得に取り組んでいった。そしてクライアントに合わせ、視覚空間型、視覚言語型、聴覚言語型の3カテゴリをうまくあてはめて話を進める、自分なりの仕事のフレームワークも確立させていった。

 現在は、大きな会社のWebマーケティングの戦略担当に就任、東京の会社のCMO(Chief Marketing Officer/企業のマーケティングの最高責任者)になる予定もある。全国を股にかけ、忙しくもとても充実しているようだ。

「自分の道を、北海道でできることをやっと見つけた気がします。アンラーン、学び捨て。過去の自分を手放すことが大切。今日伝えたかったのは『自分ののびしろ、可能性を信じること』。今日から自分ののびしろ、信じていこうじゃないですか!まだまだいけますよ!」と会場を鼓舞した。

 最後に、「自分ののびしろを信じられたのは仲間からの刺激。自分のモヤモヤを周りの人に発信すると他力を上手く呼び寄せるきっかけになると思います」と会場からの質問にアドバイスした。

《牧野絵里》

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