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【業務系フリーソフト講座】第1回 数あるクラウドフリー業務ソフトの特徴と選択のポイント

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
無料クラウド会計ソフトの分類図
無料クラウド会計ソフトの分類図 全 2 枚
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●フリー業務ソフトにはどのようなものあるか

 クラウド業務ソフトは、現在どんどんその種類が増えています。そのすべてをご紹介するのは難しいので、無料で利用できる主なソフトの一覧表を作成しました。

 会計、給与、請求書、営業支援と小規模企業で使用頻度の高い業務ソフトが無料で使えます。こうしたソフトを活用することで、最小限のコストで業務の効率化が図れることでしょう。

・フリーソフトのリスク

 小規模企業にとってありがたいフリーソフトですが、フリーであるがゆえのリスクもあります。その最大のものは、サービスがいつまで提供されているかということでしょう。こうしたソフトを提供している企業は、歴史の浅いベンチャー企業が多く、パッケージソフトを販売している大手企業に比べると脆弱であることは否めません。そのため、サービスが停止されてしまう可能性もゼロではありません。また、サービスの提供形態が変わって、高額な利用料が必要になることも考えられます。

 こうしたリスクを考慮すると、他のソフトへのデータ移行が可能であるかどうかは、大きなチェックポイントになってくるでしょう。データ移行が可能なら、たとえサービスが停止してしまっても、それまで入力してきたデータを他のサービスやソフトに移して業務を継続することができます。

・選択のポイント

 最後に、フリー業務ソフトの選択のポイントをまとめておきます。まず最初のポイントは、本当に無料で使えるのか、ということです。「無料」をうたっていても、利用期間や入力データ量に上限があるソフトでは、やはり問題があります。こうしたソフトは、無料ソフトとうたってはいるものの、どちらかと言えば体験版と割りきって利用する必要があるでしょう。

 機能面では、どのようなソフトでも、最低限必要な機能は備わっています。例えば、会計ソフトで会計処理に不足があるということはまずありません。ただ、付加的な機能については、いろいろ違いがあるので、本格的に利用を始める前に、十分に確認することが必要です。一例を上げると、個別のサービスとして提供されている請求書を発行する機能は、「Freee」や「円簿営業支援」にも備わっています。これらのソフトを利用するユーザーは、わざわざ請求書ソフトを導入する必要はないかもしれません。

 操作性も大きな違いが出てくる分野です。シンプルでわかりやすいものを好まれる方もいるでしょうし、さまざまな入力支援機能や特徴的な操作方法を好まれる方もいるでしょう。慣れの問題もあるのですが、やはりしっくり来るものを選んだほうが、作業効率は高くなります。タブレットやスマートフォンでの利用も考えている方は、それらの機器での使い勝手も確認しておいたほうがいいでしょう。

 最後に、なんといっても重要なのが、セキュリティです。データをやりとりする経路が暗号化されているか、入力したデータはきちんと保全されているのか、そして、いざという場合には、他のサービスにデータを移行できるのか。こうしたポイントをチェックしてみてください。

 次回は、会計ソフトにスポットをあてて、解説します。


筆者:松山俊一
日経BP社記者を経て、現在ミール研究所中小企業診断士。雑誌「日経パソコン」で業務ソフトの評価ページを担当し、数多くの業務ソフト評価に携わる。現在は企業のビジネスプラン作成支援、人材育成支援などを手がけている。
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《松山俊一》

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