電力自由化が消費者にもたらす選べる“自由”と“怖さ”……消費生活アドバイザー辰巳菊子氏
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2011年には経済産業省 総合資源エネルギー調査会の中の基本政策分科会として、電力システム改革小委員会が立ち上がり、改革を実行するためのさまざまなルールづくりが制度設計ワーキンググループで検討されている。同ワーキンググループの委員に名を連ねる公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 常任顧問の辰巳菊子氏を訪ね、電力システムの改革が私たちの生活にどのような変化をもたらすのか、話をうかがった。
■2016年から電力販売の全面自由化がはじまる
日本国内の電力システム改革の実施スケジュールは、今後3つの段階に分けて進められる。第1段階として2015年を目処に広域系統運用機関(仮称)が設立される。これは現在、原則的に地域単位で行われている電力の需給管理を改め、地域を越えて円滑に電気を供給していくためのコントロールセンターを担う機関を設けるというものだ。災害時の停電防止や電源確保などのリスク対策、出力の変動が大きい自然エネルギーの導入を推進する意図もその背景にある。そして第2段階として今回の主なテーマである「電気の小売業への参入の全面自由化」が2016年に予定されている。続く第3段階では、2018年~20年頃までに発送電分離の仕組みを整える。
日本国内での電力販売の自由化は、これまで大口需要家など産業向けを先行するかたちで実現してきたが、一般家庭を含む100~200ボルトの低電圧需要に関しても、いよいよ2016年から販売が自由化される予定だ。一般消費者の代表としてワーキンググループに参加する辰巳氏は、今回の電力システム改革が私たちの暮らしに重要な意味を持つものであり、消費者自身が日々使う電気を選ぶという権利を活かすことの大切さを説く。
「私たちは普段の生活で、何気なく部屋のコンセントに家電をつないで電気を使っていますが、当然ながらその先に発電所まで続く電力システムあります。その関連性にも目を向けながら、将来の私たちの暮らしや社会全体の在り方がどうあるべきなのかを考えて、消費者が主体的に電気を選ぶことはとても重要な意味を持っています」
《山本 敦》
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