経産省、中小企業の海外事業失敗例を公表 | RBB TODAY

経産省、中小企業の海外事業失敗例を公表

エンタープライズ その他
海外の日系現地法人数とそれに占める親会社が中小企業の割合の推移
海外の日系現地法人数とそれに占める親会社が中小企業の割合の推移 全 2 枚
拡大写真
 経済産業省は、「中小企業の海外事業再編事例集(事業の安定継続のために)」を公表した。海外に進出した中小企業が課題に直面した際に、事業の縮小や撤退、第3国へ移転するなど、事業再編に取り組んだ事例がまとめられている。

 経済産業省の「海外事業活動基本調査」を再編加工した「海外の日系現地法人数とそれに占める親会社が中小企業の割合の推移」では、12年度の海外の日系法人数全体における、中小企業の割合は22.2%と過去最高水準を記録。中小企業の海外展開が増加の一途をたどっている。

 しかし、損保ジャパン日本興亜リスクマネジメントの「中小企業の海外展開の実態把握にかかるアンケート調査」(2013年12月)を再編加工した「直接投資先から撤退した経験がある、または撤退を検討している中小企業」によると、”撤退した経験がある”、または”撤退を検討している”と回答した企業は33%におよび、現地で課題に直面している海外進出企業が決して少なくない状況がうかがえる。

 今回の事例集は、単に事例を紹介するだけではなく、課題への対策や対処をどのようにすればよいか参考になるよう、留意すべき事項等も整理されている。すでに海外に展開していて課題に直面している企業や、これから海外へ進出しようという企業向けに、国内外の法制度や会計制度、実務等に精通した専門家(弁護士、会計士、コンサルタント等)によるアドバイスが盛り込んまれている点が大きな特徴だ。

 掲載された事例の中では、車両積載トレーラーや貨物自動車などのボディ開発、設計、製造および販売を事業とする浜名ワークス(静岡県)が、フィリピンへ進出したところ、リーマン・ショックの影響を受けて業績が悪化。撤退を決断した経緯が紹介されている。一方で医療機器、臨床検査機器、理化学機器の製造販売を手がけるアペレ(埼玉県)は、中国へ進出したところ、技術の流出や品質の低下などの課題から、製造拠点をベトナムへ移転。その結果、ニッチなグローバル市場を獲得し、海外事業が拡大するにいたっているようだ。

 こうした具体例が28事例紹介されているので、海外進出にあたってぜひとも参考にしたい。

海外戦略は大丈夫? 縮小、撤退、移転……中小企業の海外事業失敗例を公表

《加藤/H14》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース