【レビュー】GPSを使わない位置検索サービス「SANフラワー 見守りサービス」とは? | RBB TODAY

【レビュー】GPSを使わない位置検索サービス「SANフラワー 見守りサービス」とは?

ブロードバンド セキュリティ
「SANフラワー」の基本構成となる「SANレーダー」(左)と「SANタグ」(右)。「SANレーダー」には距離、方向、電波の強さが表示される(撮影:編集部)
「SANフラワー」の基本構成となる「SANレーダー」(左)と「SANタグ」(右)。「SANレーダー」には距離、方向、電波の強さが表示される(撮影:編集部) 全 6 枚
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 「GPSを使わない見守りサービス」という新たなコンセプトを掲げる加藤電機の「SANフラワー 見守りサービス」(SANフラワー)。7月末より提供が開始される予定だが、大きな特徴の1つである屋内での位置検索の方法や精度を調べるべく、ひと足早く実機を使って実験を行った。

 「SANフラワー」は、15秒に1回電波を飛ばす「SANタグ」と、その電波を探し出すための「SANレーダー」を使ったサービスだ。

 基本は、この2つの機器で利用できるサービスだが、より広域な範囲でSANタグの捜索を行う場合は、専用のクラウドサーバーへ送られた「SANアンテナ」がキャッチした電波情報を元に、SANタグがどこの見守りエリアにいるのかを確認することになる。

 SANアンテナは、「SANサポーター」という本事業のサポーターとなった法人や個人が設置する。

●位置情報を知るだけでなく“見つけ出せる”

 GPSや基地局情報を使わない最大のメリットは、屋内での位置検索が可能な点。これまでのGPSを使った見守りサービスの場合は、ある程度の居場所は特定できても、屋内においては「建物のどこにいるのか?」まで特定することは難しかった。しかし、SANフラワーならピンポイントでの場所の特定ができると言われている。

 そこで気になってくるのが、実際に屋内でSANタグのありかを探す場合はどんな手順で、どれほど正確に探せるのかということ。

 今回の実験は、オフィスビルのワンフロアで、「SANタグ」を隠して、SANタグの隠し場所を知らない人に見つけ出してもらうという形で行った。

 SANレーダーの電源を入れると、SANタグまでの距離と方向が表示され、示された方向に従って捜索者は動いていく。途中、「広域モード」から「近距離モード」に切り替わり、方角表示も大まかものから、より正確なものへと変化し、距離表示も近くなっていく。SANタグまでの距離が2m以内になったらもうひと息。表示を見ながら場所を特定する。

 今回はSANタグ単体で隠したため、残り2mくらいから探し出すのに手こずったが、実際には子どもなどが持っていることになるので、数mまで近づければ、容易に見つけることが可能だろう。

 ちなみに、SANタグの電波を受信しやすくするには、アンテナの特性上、SANレーダーを水平に持つのがコツとなる。

●見守りサービス+捜索ツールとして要注目

 このように「SANフラワー」ならピンポイントで、見守りたい対象者が持つ「SANタグ」の居場所を特定できるため、見守り端末としてだけでなく、高齢者の徘徊対策や、災害時の捜索&救助を手助けするツールや、山岳救助隊の遭難者捜索ツールとしても注目されている。

《防犯システム取材班/小菅篤》

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