実写版『進撃の巨人』は、原作を知らなくても楽しめるか?
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100年以上前に突如現れた巨人によって、人類の多くが“喰われ”文明は崩壊した世界。生き残った人々は三重に築いた巨大な壁の内側で、平和を謳歌するが、再び巨人たちが襲来する。こうした世界観は、震災や原発事故を経験し、安全神話の崩壊を目の当たりにした日本人の心情に訴えかけるパワーと説得力があり、意外とすんなり受け入れられた。通過儀礼を重ねる主人公の青春ストーリーでもあり、現代人が抱える閉塞感にも共鳴している。
最大の見せ場は、やはり特撮を駆使した映像世界だ。CGゴリゴリのハリウッド大作に対抗し、日本のお家芸である特撮をもって勝負する構図は、まさに物語とリンクした「巨人VS人類」そのもの。CGでは表現しきれない“生々しさ”が巨人の恐怖をあぶり出し、人類にとって「心臓を捧げる」に値する脅威であることが見事に印象付けている。もちろん、VFXも併用されており、日本独自のハイブリッドな質感は、海外のファンに新鮮に映るはずだ。
一方、ダークファンタジーの空気と、日本人俳優の相性の悪さを感じてしまうのも事実。これは原作イメージとの比較やキャスティング、演技の良し悪しといった、いわゆる“コレジャナイ感”とはまったく別次元のお話。もっと生理的な「何か、むずがゆい…」というレベルの違和感であり、それを克服するには、映画本編98分(前編)という上映時間は短いのかも。演じる側にとっても、原作キャラとの距離感が難しかったのではないか。
とはいえ、実写版『進撃の巨人』は、原作を知らなくても(知らないから?)、十分楽しめるエンターテインメント作品に仕上がっていた。原作ファンの間では早速、賛否両論が巻き起こっていると聞くが、バラエティ豊かな話題作がそろった今夏の映画シーンでは、異色の存在感だ。話題性の割には、なかなか興行的な結果が伴わない“邦画の2部作商法”に対しても、『進撃の巨人』前後編の成績次第で、一定の結論が下されることだろう。
前編『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』は2015年8月1日(土)、後編『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN END OF THE WORLD』は9月19日(土)より全国東宝系にて公開。
【シネマ羅針盤】実写版『進撃の巨人』、原作知らなくても楽しめる?
《text:Ryo Uchida》
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