【Maker Faire Tokyo】衛星が身近に! 自作できるキットやDIYの団体も発足
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このINVADERのパーツをキットにして、自分で組み立てられるようにするプロジェクトが進行中だ。「Maker Faire Tokyo 2015」では、NPO法人有人ロケット研究会のブースにて「ARTIST KIT」を出展していた。このKITは、近日クラウドファンディングでも出資を募るそうだ。
ARTIST KITでは、Arduino互換ボードなどを販売する。これは、地上との通信(FM変調1200bps)やカメラ撮影(QQVGA)、仮想マシンによる地上からのプログラム送信、デジトーカーを用いた音声合成・トーン送信などが行えるCPUボードだ。またC++で実装されたSDKを使ってプログラミングし、軌道上でユーザープログラムの実行も可能だ。
「誰でも宇宙開発に関われる場所」の提供を目的としたリーマンサット・プロジェクトでは、一般のサラリーマンや学生などが集まり、2年以内の衛星打ち上げを目指して積極的に活動を展開している。
10cm×10cmの極小衛星「CubeSat」(キューブサット)をDIYでつくり、宇宙から画像を撮ったり、メッセージを投げて地上の子どもたちに解読してもらったり、衛星に乳歯を乗せて宇宙に放出するなど、複数の計画を立てているそうだ。JAXAで無償の衛星打ち上げプログラムに合格すれば、ロケットに衛星を載せて宇宙に出ることも夢ではないだろう。
Kikyu・orgは、「成層圏気球プラットフォーム」を紹介していた。高度30000mの成層圏まで気球を上げ、カメラや実験装置などを搬送することで、映像を撮ったり、センサーで観測データを収集できるサービスだ。成層圏までバルーンが届くと、気圧の関係で10mほどの大きさまで膨れる。
最後は低気圧に耐えられなくなり、バルーンが破裂し、パラシュートでペイロードが地上に落ちてくる。それを独自の無線トラッキングユニットで追って回収する。高精度な落下地点予測とリアルタイム位置追跡によって、回収率は95%を超えるそうだ。
今回の展示では、成層圏気球調整バルブのデモを実施していた。成層圏で気球が破裂するのだが、もっと高く上昇させるために、途中から調整バルブでガスを抜いて、気球の膨張を抑制する仕組みだ。バルブを空けるタイミングは、GPSデータを参照し、ある高度になった段階で開放するという。
変わり種としては、エリジウムスペースによる祈念宇宙葬サービスが紹介されていた。遺灰の一部を回収し、カプセルに入れて、人工衛星で宇宙に放出するサービスだ。カプセルには本人のイニシャルが刻印される。打ち上げイベントのビデオ作成や、打ち上げビューイングイベントの招待などもあるという。費用は241,600円(税込)で、インターネットから申し込みできる。
マーフェースプロジェクトでは、大変ユーモアにあふれたアイデアのサンダル「Giant Leap」を展示していた。これはサンダルに月表面のクレーターを3Dプリンティングしたもので、同時に足ツボも刺激できるようになっている。サンダルを履けば、常に月面にいるのと同じ。アポロ11号のアームストロング船長のように、地上にいながら月面を踏めるという発想が秀逸。価格は一足で56,404円(税込)だ。
《井上猛雄》
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