「米国進出成功の光が見えた」……スプリント事業好転の青写真をソフトバンク孫社長が語る
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「日本ではソフトバンクが世界に先駆けて、携帯電話端末の割賦販売という施策を編み出した。いまでは他社がこれを模倣するまでになっているが、この割賦販売により解約率が下がり、端末を半年周期で乗り換えるような変な使い方をされることもなくなった。スプリントではリース販売という売り方が効果を発揮すると考えている。そのためには元手となる資金が必要になので、リースファイナンスでまかなう手法を採るための準備をしているところだ」
孫氏はスプリントの純有利子負債を効果的に圧縮すると明言。昨年末に失った自信を、今ではすっかり取り戻したことを強調する。その理由はスプリントを立て直すための実行プランを、スプリントのスタッフとともに構築できたからなのだという。
孫氏は「マルセロ・クラウレCEOによる新体制に移行して、スプリントは1年間で解約率が低下。顧客品質が改善している。EBITDAや営業利益も改善の兆しが見えている。純利益の面でも出血が止められたので、これからは積極的に純有利子負債を圧縮していくことができる。根本からスプリントを改善したい」と息巻く。
孫氏は壇上に、トンネルの出口から光が射し込んでいる写真をイメージカットとして紹介しながら、「スプリントの立て直しに向けて、トンネルの無こう側の光が見えた」と表現した。
「かつてYahoo!BBを立ち上げ、困難の時期から成長軌道に持ってくるまでに約2年ぐらいかかった。いまはその時と同じ感触を得ている。おそらく、今後2年ぐらいでスプリントを大幅に改善できると期待している。それ以後は毎年改善を重ねて、他社を抜くところまで行きたい」と目標を描く孫氏。「今のところスプリントを買いたいという周りからのオファーはないが…」と前置きしつつも、「私はスプリントを売る気はまったくない。買って良かったと正直に思っている!」と言い切った。
なお、スプリントの次世代ネットワーク構築のための具体策については本日の記者会見で詳細が語られることはなかったが、孫氏は「キーワードは2.5GHz」とした。。
「2.5GHzは他の電波よりも距離が飛ばないので、数をたくさん打つことになるだろう。ただ、バンド幅が120MHzというユニークなキャラクターを持っているので、これは料理の仕方によっては強力な武器にできる。現在考案しているネットワークのプランは、その特徴を活かした設計になっている。カバレッジを良くするのは当然であり、マストだ。これは800/900MHzで競合社に追いつく。ただ、それだけでは“追い越す”ことまではできない。その鍵は2.5GHzにあると思っている。2.5GHzで他社を上回るスピードとキャパシティを生み出したい。いまアメリカでは4社のネットワークが輻輳(ふくそう)を起こしていて、とてもつながりにくい状況になっている。特に大都市では恐ろしいほど接続品質が低下している。当社がスプリントと作ったネットワークはさくっとつながる。2.5GHzにより、大容量のキャパが持てるものに生まれかわるだろう」と、孫氏は最後に米国進出の成功に向けた抱負を語った。
《山本 敦》
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