スマートフォンとBLEを利用して認知症高齢者の徘徊を防ぐ技術……名古屋工業大学
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この展示会に出展していた名古屋工業大学大学院工学研究科 教授・岩田彰氏が中心になって研究が進められている「あなたのスマホが認知症高齢者を守ります」を紹介しよう。
近年、認知症高齢者の徘徊が社会問題化しているが、個人で介護している場合は目が届かないことがあったり、施設などでも1度外に出られてしまうと発見するのが難しかったりと、有効な解決策が待ち望まれていた。
その解決策の1つとして注目されるのが、BLEとスマートフォンを使った本研究の見守り技術だ。同研究の根幹をなす技術は、Bluetooth Low Energy(BLE)で、認知症高齢者にBLE端末を持たせ、専用のアプリをインストールしているスマートフォンでその電波を拾うことで、居場所を探すというもの。アプリを導入したスマートフォンは、半径50m以内のBLE端末の電波を受信して位置を推定することができる。低消費電力で稼働するため、電池交換&充電不要で約1年間、メンテナンス・フリーで利用できるのも大きな特徴だ。
実用化に向けた課題としては、BLE端末が発する電波を受信するために専用アプリをスマートフォンに導入する必要があり、いかに多くの人にアプリを普及させられるかという点が挙げられる。これはBLE端末の周囲50mにアプリ導入済みのスマートフォンがないことには、電波を拾えず、探したい高齢者の居場所を満足に追うことができなからだ。
逆にアプリの導入が進めば、町の至る所でBLE端末の電波が拾われる可能性が増すため、地域全体で認知症高齢者の見守りが行えるようになる。
BLE端末は、持ち歩く高齢者の気持ちに配慮して、お守り袋型のケースを採用。子供などに持たせることを想定して、腕時計型にしたBLE端末なども考えているという。
同技術では、位置情報の取得だけでなく、屋内にいる時の動線の把握も可能。長時間動きがないといった異常を検知できるので、徘徊防止以外の見守りも行える。展示では、認知症高齢者の徘徊対策として紹介されていたが、子供の見守り、ペットの迷子防止などにも活用できる技術だといえる。
《防犯システム取材班/小菅篤》
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