【SPEED TEST】時間帯や月でどう違う?MVNOデータ分析……NifMo編 | RBB TODAY

【SPEED TEST】時間帯や月でどう違う?MVNOデータ分析……NifMo編

ブロードバンド 回線・サービス
「NifMo」(mda.nifty.com)、月別の平均下り速度と測定数
「NifMo」(mda.nifty.com)、月別の平均下り速度と測定数 全 3 枚
拡大写真
 スマートフォン向けの通信速度測定アプリ「RBB SPEED TEST」の測定ログデータ分析。今回はMVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する格安SIMサービスに注目した。

 ドコモやKDDIなどのMNO(移動体通信事業者)から回線をレンタルしてサービスをおこなっているMVNO。柔軟な契約プランやMNOに比べて安価な月額費用が魅力だが、やはり回線の実効速度も気になるところだろう。なお、RBB SPEED TESTではAPN(アクセスポイント名)をもとにMVNO判別をしており、固有のAPNを利用している格安SIMサービスについてはデータから分析することが可能となっている。

■月別でみると上昇傾向

 まず今回はニフティが昨年末にサービスを開始した「NifMo」(APN:mda.nifty.com)の測定データについて見ていきたい。対象期間は、2015年5月1日から7月末まで。Android端末において、APN:mda.nifty.comと判別された測定データ計4,370件を分析した。

 月別の下り平均速度の遷移を見てみると、5月は測定数1,297件で平均15.57Mbps、6月は測定数1,180件で平均18.77Mbps、7月は測定数1,893件で平均18.87Mbpsとなっている。この3ヵ月に関しては上昇傾向にあるようだ。10Mbps台の後半が安定して出てくれれば、Webブラウジングや動画視聴など、比較的快適に利用できるだろう。ただし、5月から6月が3.2Mbps上昇しているのに対して、6月から7月では0.1Mbpsの上昇と伸び率は鈍っている。6月から7月では測定数も大きく伸びているため、ユーザー数が増加したことが要因となっているのではないだろうか。ちなみに上り速度に関しては、5月が7.37Mbps、6月が7.50Mbps、7月が7.31Mbpsと横ばいで推移していた。

■時間別 12時台に落ち込むが、6Mpbs以上はキープ

 次に3ヵ月トータルのデータを時間帯別に見てみる。格安SIMサービスでは通信が混雑する時間帯に下り速度が低下する傾向がある。それを気にしてか、SPEED TESTアプリユーザーの測定数も12時台が多く、NifMoではこの3ヵ月、全体の約14%にあたる611件が12時台に測定されていた。もっとも通信速度が遅い時間帯もやはり12時台で、下り7.39Mbps、次に遅い時間帯が19時台で、下り14.24Mbps(測定数は273件)となった。ワーストの12時台と次点の19時台で7Mbps近い開きがあり、12時台がいかに混雑しているかが見て取れる。それでも下り7Mbps以上ということで、高画質動画の再生など負荷の高い通信を除けば、概ねストレスなく利用できる速度が出ていると考えられる。また同じ日中でも、11時台は下り23.08Mbps(測定数:207件)、13時台は下り20.27Mbps(測定数:207件)と一気に速度が回復する。これを踏まえて、自分のライフスタイルにあわせて時間帯を気にしながら賢く利用することができれば、格安SIMの契約も検討しやすくなるだろう。

 更に、12時台のみに絞って月ごとの推移も見てみた。すると、5月は測定数144件で平均9.51Mbps、6月は測定数153件で平均7.54Mbps、7月は測定数314件で平均6.35Mbpsと下降傾向にあることが分かった。ユーザー数の増加に伴って12時台の通信量は特に増加するため、設備増強が中々追いついていないのかもしれない。しかし依然として6Mbps以上はキープしている。下降率も小さくなっているので、今後の下げ止まり、そして上昇を期待したい。

 サービスの評価が上がるとユーザーが増え、ユーザーが増えるとトラフィックの混雑が発生し、そのままではサービス品質が落ちて評価も下がってしまう。各事業者は定期的な設備増強をおこなって通信トラフィックの増加に対応しているが、ユーザーが増え続ける限りはいたちごっことなるジレンマもある。設備投資の費用と、ユーザーの満足度と、上手くバランスを取りながらの対応が求められるだろう。引き続き別のMVNOについてもデータからの分析をおこなっていく。

《白石 雄太》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース