わずか15分、ワンコイン検診を展開する「ケアプロ」とは? | RBB TODAY

わずか15分、ワンコイン検診を展開する「ケアプロ」とは?

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ケアプロで予防医療事業部 事業部長を務める落合拓史氏
ケアプロで予防医療事業部 事業部長を務める落合拓史氏 全 4 枚
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 1項目500円からのセルフ健康チェック。このサービスで14年4月、厚生労働省が定める「検体測定室」の第1号開設者となった企業がある。東京都中野区に本社を構えるケアプロ株式会社。08年に中野に第一号店をオープンすると、“ワンコイン検診”というコピーでサービスを展開。現在までに約30万人の利用者を診断してきた。

 ちなみに、なぜ“セルフ”健康チェックなのかと言うと、その理由は検査の手順にある。利用者は専用の針を利用して、自ら指の先から血液を絞出。それを分析することで、血糖値や中性脂肪など、全7項目の検査結果を説明してくれるという仕組みだ。

■生活改善とそのモチベーションアップに貢献

 ケアプロで予防医療事業部 事業部長を務める落合拓史氏によると、同サービスは生活習慣病の予防としてのニーズを集めているという。

「我々は健康サイクルを回すということを重視しています。検査をして、結果が分かって、健康を改善しようと行動をする。でも、その改善結果が年に一回の健康診断でしかわからないのでは、とてもモチベーションが続きません」

 さらに言うなら、通常の健康診断であれば、その結果が分かるのは大体一か月後のこと。そこで、重症化している臓器などが見つかり、予防ではなく治療として病院に行くことになる。その一方で病気が見つからなければ、あまり診断結果に関心を持たない人も少なくない。

 しかし、ケアプロではその場で検査結果を利用者に通知。しかも、看護師が検査結果をふまえたアドバイスを行ってくれる。数値が悪化したら体がどうなるか? 改善するには何をすべきか? 個人に合わせた生活指導を受けられるため、健康改善に対する指導力は一般の健康診断よりも高いと言える。



■従業員の検診率と満足度を同時に満たす

 ケアプロでは中野店のオープン後、B to Bの取り組みとして出張検診にも取り組んできた。必要となる機材は段ボール2、3箱で済むので、検診場所には休憩室や会議室を使用。1人15分程度の診断として、1日50人程度の検査が可能だ。

 この「オフィスケアプロ」の派遣先は大きく2つに分かれる。1つはショッピングセンターなど、定期健診の無い非正規雇用が多い場所。そして、もう1つが会社の福利厚生としての需要だ。

 このうち非正規雇用の多い職場の一例としては、某ショッピングセンター(神奈川県横浜市)で出張検診を毎年2日間実施。アパレルの若い女性店員を中心に、毎年100人超の利用があるという。検査は平日の日中に行われ、スタッフが食事休憩中にふらりと立ち寄り、検診を受けられるという仕組みだ。

 なお、実際に検診を受けた利用者からは、「血圧高めね、しょっぱいもの減らすわ」、「去年骨が軽いと言われ、カルシウムを取るようにしました。改善して嬉しいです」などの声が挙がっており、健康改善に向けての意識改革に効果を発揮しているという。リピーターも半数近くおり、従業員満足度を上げるためにも役立っているようだ。

 その他、オフィスケアプロでは一都三県を中心に、日本全国へと出張。建設現場のプレハブで検診を行ったこともあり、シャイで職人肌な人にも積極的に話しかけ、健康指導を行っているという。

■予防医療の鍵はスピード感

 時間が無い、仕事が止まってしまうなどの理由から、横ばい傾向にある検診率。その健康リスクを改善するにあたり、ケアプロの最大の強みになっているのが“スピード感”だ。休憩時間にちょっと立ち寄れ、検査時間も15分程度。しかも、その場で結果が分かるというのは、今までの健康診断にはないメリットだろう。

 また、福利厚生という点では、特に若い世代において、ゲーム感覚で検査を受ける人もいるとのこと。「おまえは血管年齢いくつだった?」などと、社内でのコミュニケーションの一環としても楽しまれているようだ。

 「我々は生活習慣病の予防、医療費の削減を目標にサービスを展開してきました。“ちょっと立ち寄り、ちゃんと健康”というコンセプトの元、健康サイクルをきちんと回すこと。これによって、これからも従業員や地域の方の健康を改善していきたいと思います」

 検体測定室としての認定を受けた後、ケアプロでは14年に新たに3つの常設店を展開。利用者も月に5000人規模から徐々に増加傾向にあるという。予防医療というジャンルにおいて、また健康経営にとってもケアプロは、今後注目すべきサービスとなりそうだ。

わずか15分の健康診断、従業員の検診率と満足度を同時に満たす「ケアプロ」とは?

《丸田鉄平/H14》

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