【諏訪圏工業メッセ】求められる「価値を生む技術」!部品メーカーには連携が必要
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なぜロボットなのか。市川准教授は、「技術を選び、組み合わせ、繋いだ最終製品がロボットだ。技術は製品・サービスとなって人々に届く」という。したがって工業技術が集積された諏訪圏の将来はロボットにあるというのだ。
しかし『ものづくりは終わった』という声は市川准教授も聞く。それに対し市川准教授は「『作る技術』が求められた経済成長期、『売る技術』が求められた飽和期が過ぎ、デフレ不況の現在は『価値を生む技術』が求められている。頼まれて作る仕事、クオリティや価格を競う仕事はグローバル化した。『どう作るか』考える時代から『何を作るか』提案する時代になった」と説明する。
いっぽうで市川准教授は、技術が発達しているのに市場が苦しいという『技術の消化不良』も指摘する。「生産性が向上すると労働者が失業し景気が悪くなる。この『技術の消化不良』の打開策は新ビジネスの創出にある」。諏訪圏の工業は製糸に始まり、精密機械、電子・電気機器と、高い技術力を維持しつつ常に変化してきたのが特徴だ。
大学教育・研究の現場では「あるものは活用する(=購入)、ないものは作る(=自前)、に加え、できないことは頼む(=連携)」ようになった。企業が連携する必要性は諏訪圏にも当てはまる。連携して展開する新ビジネスの有力候補がロボットというわけだ。
講演後に市川准教授は取材に答え、諏訪圏の特徴について、限られた地域に産業が集積し、経済の動向も含めて日本の工業の縮図になっている、と述べた。これまで部品メーカーは最終組み立てメーカーとの縦の関係を維持していれば良かったが、頼まれて作る仕事はグローバル化した。「今後は部品メーカー同士の連携による、新ビジネスの創出が課題となる」と指摘する。
市川准教授は「新ビジネスを展開するために、自社工場は持たずに生産は外部に委託するファブレスメーカーが現れたり、あるいは諏訪圏の企業が連携して自らファブレスメーカーを立ち上げてもいい」とも語った。
「諏訪圏工業メッセ」の、諏訪東京理科大学と諏訪産業集積研究センターの共同出展ブースでは、そういった新ビジネスの可能性として、開発中のドローンや壁走行ロボットなどを解説している。
《高木啓》
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