コミュニケーション力を活かす……Pepper活用事例 M-SOLUTIONS 植草取締役
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2014年6月に“衝撃のデビュー”を飾って以来、いまも月に1,000台超の生産と売上げを記録しているのがソフトバンクの感情認識パーソナルロボット「Pepper」だ。6日にソフトバンク・テクノロジーが都内で開催した法人向けイベント「Softbank Technology Forum 2015」ではこのPepperに関する最新事例も紹介された。Pepperをさらに幅広い分野へと応用を進めるソフトウェア開発を進めているM-SOLUTIONS株式会社の植草 学氏が豊富な応用例について語った。
まず植草氏が強調したのが、Pepperの基本的な特徴だ。「感情認識パーソナルロボット」の名称どおり、人の呼びかけを認識してコミュニケーションをとるのが得意なロボットで、動き回ったり人の代わりになって作業をするといった役割は苦手という基本的な機能について説明。Pepperの得意なコミュニケーション力が発揮できる活用方法を見いだしてほしいと話した。つまりPepperの「話す」「見せる」「動く」といった特徴こそが活用ポイントになるということだ。
法人を対象に導入が進んでいるPepperが活躍しているシーンとして植草氏が紹介したのが、ショップや店舗、イベントや展示会、セミナーでの案内役。そして企業のエントランスなどでの受付業務だ。その際、Pepperの役割や目的に応じた対応力やコミュニケーション力を高めるのがソフトウェアの「Smart at robo」だという。
「Pepperの登場から1年あまりが経って、よく言われるのがフレキシブルな対応ができないんじゃないかという印象です。私たちはこの点を、複雑なプログラミングなしでコントロールや制御ができるよう開発を進めています。もちろん細かなカスタマイズまで踏み込むと、Pythonなどを使った設計や仕様の変更が必要になるわけですが、一般的な活用方法で必要になる設定はだれでも簡単に変更できるよう工夫しています」
動作時間やセンサーの起動、会話や画像の内容を活用する側が自由に設定できるようUI/UXの整備が進んでいると強調した。こうしたPepperの活用のしやすさ、コミュニケーション力を活かした導入例として子ども向けの英会話教室や地方でのイベントにゲストとして参加している事例が紹介された。
「最初のPepperは日本語と英語しか認識しませんでしたが、10月1日から申し込み受け付けを開始した法人向けの『Pepper for Biz』は中国語や韓国語など多言語にも対応可能。いま盛り上がりを見せている外国人観光客向けの『おもてなし』にも活用できると思います」
「Pepper for Biz」には、法人向けに専用のプラットフォームを実装。あらかじめ顧客情報、商品やサービスのアピールポイントを登録しておくことで、訪れた人と円滑なコミュニケーションを築きながら営業のサポートとなる役割も担えるという。
《浦野孝嗣》
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