【まちてん】目的がなくても集まれる場所に……西国分寺発の“カフェでまちづくり”
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影山氏の前職からすれば、何かをするときは事業計画をつくるのが当然だった。しかし、あるときから、それ一切やめたという。
「目的を持たずにカフェに集まり、そこで時間を過ごすうちに、思いがけずにいろいろなことが生まれるなら、自分が注力するのは事業計画の達成ではない。計画を綿密に立てるほど、毎日の営業がそのための消化試合になってしまう。せっかく面白い種が生まれても、それを見過ごしてしまう。計画達成ために動くと、お客様は手段になる。しかし、お客様は手段ではなく、目的だと気づいた。つまり人を利用しあう関係から、支援しあう関係にすること。それを日々の営業にすれば大きな変化が生まれると思った」(影山氏)
これまでの営業のなかで、店を訪ねてくれた人は21万8148人。わざわざ西国分寺までやってきて、面と面の人間関係をつくってくれた。そして、クルミドコーヒーで出会った仲間の中から、一緒に本を作り、クルミド出版として2冊の本が生まれたという。さらに今年も小説を発刊するそうだ。
「こうやって出会った人たちが、50年後のヘミングウェイであるかもしれない。そう思う自由も我々にはある。本当にそういう思いでやっている」(影山氏)
また、もう1つの取り組みは、店舗を通じてクラッシックのコンサートを開くこと。近隣に国立音大があり、地元に音楽に関わる人が多いことも幸いした。すでに「音の葉コンサート」を173回ほど開催し、355人の演奏家と、2,482人の聴衆が集まった。今年の夏はフラダンス大会も催したそうだ。
カフェという場や、具体的な空間がないと何も始まらないという考えもあるが、影山氏は「人自体が場になれるという考え方もある。目前の相手を利用しようと思った瞬間、お互いの可能性が根づかなくなると感じている。むしろ相手を支援するような形で関われるようになると、結果として人の可能性の芽が吹き、育っていく。それはやがて自分にも返ってくる。こういう振る舞いができる人の周りには、面白いことや新しいことが始まっていく。最終的には人に帰着する」と話した。
クルミは種、店も種、まちも種、社会も種。それらは機械ではない。機械であれば設計図を作り、必要な部品を集め、モノを組み立てられる。最後に影山氏は「人間は機械ではありません。種のなかに可能性が秘められているが、雨や風や光によって枝を伸ばし、樹形に育っていく。生きることが、そういうものならば、組織や店や会社の経営方法も同じ発想に変えていける。あまり計画的になりすぎず、一杯一杯のコーヒーや、一人ひとりの出会いに集中し、水を上げていけば、そこに魅力的な街や社会ができあがっていくのではないか」と、まとめた。
《井上猛雄》
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