“ビジネスと親和性の高い”新型VAIOスマホ、開発意図と販売戦略は? | RBB TODAY

“ビジネスと親和性の高い”新型VAIOスマホ、開発意図と販売戦略は?

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VAIOが新製品記者発表会を開催
VAIOが新製品記者発表会を開催 全 10 枚
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 VAIOは4日、オペレーティングシステムに「Windows 10 Mobile」を搭載するスマートフォン「VAIO Phone Biz」を発表。新製品記者発表会に代表取締役社長の大田義実氏が登壇し、商品開発の経緯と今後の販売戦略を説明した。

 冒頭で大田氏は、現在「VAIO株式会社」としてソニーの時代から積み重ねてきた高度な設計・製造技術とノウハウを活かしながら、自社製品のPC「VAIOシリーズ」を超えてビジネスの領域を積極的に広げているとコメント。外部企業との協業により、コミュニケーションロボットやスマート玩具も新規領域として取り込みながら、国内・安曇野工場における高い生産品質管理を武器に自立と発展への道筋を強固なものにししつつあることをアピールした。

 また現在は将来有望なスタートアップ企業との提携にも力を入れて取り組んでいるという。大田氏は「ベンチャーから大手までさまざまな業界から、VAIOの設計・製造、アフターサポートまでのノウハウに関心をお持ちいただき、引き合いを受けている。この調子で着実に前進していきたい」と意気込む。基幹ビジネスであるPCのVAIOシリーズについては引き続き、ビジネス志向のヘビーユーザーをメインターゲットに据えながら、生産性・創造性の向上をサポートする最高のツールとして魅力を訴えていくとした。

 昨年はノートPCの新製品「VAIO S11」の発表と同時に、VAIOとしてMVNO事業にも進出を遂げた。PCと同時に商品化したLTEデータ通信SIMは、「PCと通信の融合」を実現するプラスαの価値として訴求。「かたやVAIOとして、スマホをどう取り込むかというテーマについてはずっと検討を重ねてきた。そのなかで、ビジネスユーザーをメインターゲットとするVAIOが、Windows 10 Mobileの可能性を取り込むことで、ビジネスに親和性の高いスマホを提供できると考え、今回新たなプラットフォームに挑戦。新製品VAIO Phone Bizを立ち上げた」と大田氏は新製品誕生の経緯を語っている。

 商品名に「Biz」を関する新しい“VAIOのスマホ”は、法人チャンネルでの展開を中心に想定している。当初販路はNTTドコモの法人ビジネス本部のほか、ダイワボウ情報システムを通じて取り扱われることになる。発売時期は4月を見込む。なお、ダイワボウ情報システムは、昨年8月にマイクロソフトの日本法人と共同で「Windowsモバイルビジネスセンター」を立ち上げ、Windowsを採用するスマホやタブレットを含むモバイルデバイスの拡販と市場活性化へ積極的に取り組んでいる企業だ。

 なお一般コンシューマー向けの販売についても、Web直販のVAIO STOREのほか、ビックローブと楽天モバイルがMVNOとして取り扱いに名乗りを上げている。ほかのMVNO、あるいは一部量販店での取り扱いも予定されているようだ。

 大田氏は「VAIOはこれからもハードウェアと通信を組み合わせたプラスαの価値を積極的に追求していく。新規事業についてもますます積極的に取り組んでいきたいと」語り、今後VAIOの企業とブランドが進む道筋を示した。

■「One Windows」のシナリオを描くマイクロソフト

 記者会見のゲストスピーカーには、日本マイクロソフト 取締役代表取締役社長の平野拓也氏も出席し、法人市場におけるWinodws 10 Mobile搭載スマートフォンの可能性をアピールした。

 平野氏はVAIOとのパートナーシップの歴史を振り返りながら、「これまで約20年間にわたるパートナーシップの間、さまざまな製品を発表してきた。またスマホという新しいカテゴリーで協業できることをとてもうれしく思う」とコメント。昨年からのPC向けWindows 10の展開が非常に好調であることをアピールしながら、今後Windows 10 Mobileが広がっていくことで「PC・タブレット・スマホ」を一気通貫した「One Windows」のシナリオが実現するだろうと期待を寄せた。またPC・スマホ・タブレットをWindows環境に統一することによる利便性の向上とコストメリットについても言及した。
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《山本 敦》

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