解説! 格安SIM・スマホでよく聞く「MVNO」ってなに?
ブロードバンド
回線・サービス
注目記事
-
【デスクツアー】真似したい自宅デスク環境一挙公開!
-
イオンモバイル、MVNO事業者としてリスタート……独自端末の検討も言及
-
MVNO事業参入のイオンモバイル、29種の料金プランを展開へ……1GB・月額480円より

基地局施設やサービス内容、大容量通信インフラなどを、まるごとすべて借りて提供するのであれば、MVNOと大手キャリア(MNO)に差はないだろう。実際、通信できるエリアなどは完全に同じだ。しかし実際には、以下のような部分がキャリア(MNO)と異なっている。だから安くできるのだ。
(1)ユーザーサポートが弱い
店舗がない、Web販売が主力など、営業コストを下げることで、料金を安くしている。
(2)開発を行わない
自社の端末や独自サービスはもたない。これにより開発コストを下げている。
(3)通信品質を充分に高めていない
通信サービスの基礎部分はMNOのもので、エリアなどは同一だが、
「利用できる分量」(通信帯域)については、MNOとの取り決め次第で異なる。
つまり、通信量などが急増した場合に、
現状の設備だけでは対応できない=速度が落ちるといったことが発生しやすい。
(3)については、「早いけど高い」「品質悪いけど安い」など、MVNO各社が独自の考えで調整しており、それが違いとなって現れている部分もある。大手キャリアは、災害時等も想定しており、通信品質には圧倒的にコストを割いているが、そういった部分はMVNOには期待しにくいだろう。
ともかく、以上のような仕組みで、MVNOは、格安SIMの提供を可能としているのだ。
■企業がMVNOを展開するメリット
MVNOについては、あくまで“借り物のビジネス”という部分はあるが、各MVNOにとっては、さまざまなメリットがあり、単純な利益だけでは語れない企業戦略がある。
たとえば通信系のMVNO(IIJ、BIGLOBE、NTTコミュニケーションズなど)であれば、【自社のブロードバンドサービスとのシステム共有、ノウハウ活用、相乗効果】などが見込める。参入がもっとも多いのも、こういったメリットが大きいからだ。一方流通系のMVNO(楽天、イオンなど)であれば、ポイント還元や電子マネー、ECなど、【独自サービスを付与することで、顧客の囲い込み】が期待できる。こうした点から、MVNOが増えていると考えられる。
この流れから考えると、今後は、「JRグループやANAなどの交通機関」「トヨタや日産などの自動車メーカー」「テレビ局や広告代理店」、さらに「コンビニ」「レンタル事業者」、そして「Amazon」がMVNOとして本格参入し、独自サービスを展開するのは、けっしてありえない話ではない。
そういうわけで、「ある企業が、SIMの提供を始める=MVNOに参入する」というのは、けっこう大きなニュースなのだ。ぜひ注目して欲しい。
《冨岡晶》
特集
この記事の写真
/
関連ニュース
-
イオンモバイル、MVNO事業者としてリスタート……独自端末の検討も言及
ブロードバンド -
MVNO事業参入のイオンモバイル、29種の料金プランを展開へ……1GB・月額480円より
ブロードバンド -
「PC DEPOT」、MVNOサービスに「arrows M02」など3機種追加……月額1,990円から
IT・デジタル -
“VAIOスマホ”第2弾、Windows 10スマホ「VAIO Phone Biz」発表! MVNOでも取り扱いへ
IT・デジタル -
楽天モバイル、MVNOで初めて通話回数無制限のサービスを開始
ブロードバンド -
ファーウェイ、5.5型SIMフリースマホ「Huawei GR5」を2月に発売
IT・デジタル -
ベッキー降板にも言及……100万ユーザー達成へ、MVNOの「mineo」が事業計画
ブロードバンド -
競争激化するMVNO市場、「mineo」は“ユーザーとの共創”で勝負へ
ブロードバンド -
MVNOの日本通信、10の新サービスで“メイン回線”目指す……ソフトバンク向けの格安SIMも用意
エンタープライズ -
IIJのMVNO回線、100万回線を突破
ブロードバンド