スモールセル技術の活用など次世代通信技術にフォーカスするクアルコム【MWC 2016 Vol.45】
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また移動物体のトラッキングなどを行うIoT機器についても、電源効率を上げられる「Extended I-DRX」の技術規格が現在標準化に向けて動いている。クアルコムが開発を進めるモデムチップでは40分に1回のデータ通信を行うことで、ネットワークからのトラッキングにも対応しながら、約数か月の電池寿命を実現できるようになるという。
年内に始まるとされている、LTEの上り方向の通信を高速化するためのキャリアアグリゲーション技術や通信の変調方式を16QAMから64QAMに変えて一時的に送れるデータ量を大きくする技術が出展されている。加えてクアルコムでは上り回線のデータを圧縮して伝送する「Uplink Data Compression(UDP)」の技術についても訴求。最大50%の圧縮率を実現することで、約2倍の伝送効率アップにつながるというものだ。
電波状態の良くない場所でも音声通話の安定性やデータ伝送のスピードを確保できる、Snapdragon 820からサポートされる独自のアンテナ感度向上のための「TruSignal Antenna Boost」については、以前から展示会等で紹介されてきた技術ではあるものの、今回これがサムスンの発表した新端末「Galaxy S7/S7 edge」に搭載されたことについてもフォーカスされている。
LTEモデム関連では、1Gbpsのライブ伝送デモが行われている。これは3波キャリアアグリゲーションにより実現しているもので、うち2波で4×4 MIMO、残り波で2×2 MIMOという構成を採ることにより同時に10本のダウンロードストリームを伝送し、さらに256QAMのデジタル変調方式を組み合わせるというものだ。これを実現可能なギガビットモデム「X16」は、今年の後半頃に市場出荷が見込まれているという。
ほかにもSnapdragon 820とLTEモデムチップ X12を搭載したソニーの新しいスマートフォン「Xperia X Performance」をベースにした試作機では、FDDの20MHz幅のストリーム1波で、4×4 MIMOに256QAMを組み合わせて最大400Mbpsのダウンロード速度を実現するデモが紹介されている。Wi-Fiルーターではなく、スマートフォンのフォームファクターでこれを実現できたところが技術の訴求点になる。今後はメーカーがこれをフィーチャーとして採用し、インフラが整ってくればクアルコムのチップセットとしてはすでに“Ready”であることをアピールしている。
《山本 敦》
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