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【新着!防犯トレンド】社会ニーズが高まる「危機管理学」ってどんな学問?

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危機管理学部の開設プロジェクトのスタート直後から関わってきた日本大学法学部教授で日本大学大学院新聞学研究科教授の福田充氏(撮影:防犯システム取材班)
危機管理学部の開設プロジェクトのスタート直後から関わってきた日本大学法学部教授で日本大学大学院新聞学研究科教授の福田充氏(撮影:防犯システム取材班) 全 4 枚
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●官公庁や大企業・大手マスコミ出身の教授陣

 そこで気になるのが教授陣だ。今でこそ聞き慣れた「危機管理」という言葉だが、実際に危機管理のノウハウを持つ人材となると限られてくる。どんな人たちが教壇に立つのだろうか?

 まず同学部の専任教員は計35名。今回、インタビューに答えてくれた福田教授は、同大学の法学部教授でもあり、危機管理学では「災害対策とメディア」に焦点を当てた研究をしている人物。

 また、教授陣に名を連ねる安藤貴世氏(現・国際関係学部准教授)は、国際法を専門分野として、特に「国際テロリズムに対する国際法上の規制」を研究しているとのこと。

 他にも国土交通省、警察庁、法務省、公安調査庁など官庁や一般企業で「危機管理」に関わる実務経験を持つ教授陣が名を連ねており、災害対策や警察政策、入管行政、防衛政策、インテリジェンス論、情報システム論、企業広報論、国際テロリズム論などを学ぶことができるという。

●卒業生の進路は?

 では4年間、みっちりと危機管理学を学んだ学生たちはどういった進路が待っているのだろうか?

 日本大学が現段階で想定する卒業生の就職先としては、国土交通省、気象庁、警察庁、法務省などの国家公務員、警察官や消防吏員、地方自治体の防災課や危機管理課の職員といった地方公務員、そして商社、金融機関、メーカー、メディアなどの一般企業、電気・ガス・水道・通信、公共交通などのインフラ企業など多岐に渡るという。

 冒頭で福田教授が「人材不足」を指摘した背景には、ゼロから知識と経験を蓄積した担当者が育っても、定期的な人事異動により人材が流出し、新たな担当者がまたゼロから危機管理を学ばざるをえない状況があるという。その一方で、危機管理のエキスパートに対する社会のニーズは高く、それを踏まえると、危機管理を学んだ学生に対する社会のニーズは十分にあると福田教授は語る。

●取材を終えて

 ここまで話を聞いてくるなかで気になってくるのが、現在、危機管理に関する業務を行っている人も、同学部で学べないのか?ということ。これまで体系的に危機管理学を学べる場所がなかったとなると、かなりのニーズがありそうだ。実際、筆者も時間とお金が許せば学んでみたいと思っている。その疑問を福田教授に尋ねたところ次のような回答を得た。

「実は企業や自治体で働いている方などから、社会人向けの特別枠や課外講座といったものはないのか?というご要望はかなりたくさんいただいています。すぐにとはいきませんが、今後、検討していきたいと思っています」

 聞くところによれば、そうした取り組みを行うにはいくつか段階を踏んでいく必要があるようで、もうしばらく待つ必要がありそうだ。
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《防犯システム取材班/小菅篤》

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