完全ワイヤレスの超小型イヤホン「EARIN」! 北欧ベンチャーの開発者が語った商品化までの道のりとは
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■スウェーデン発ベンチャー企業の「完全ケーブルフリーのイヤホン」
ペア・ゼンストローム氏は現在の同僚でもあるキリル・トラジコフスキ氏、オレ・リンデン氏とともにEpickal ABを起ち上げた創立メンバーの一人。前職ではソニーエリクソンとノキアに在職し、エンジニアとして活躍した。他のファウンダー2名もそれぞれ通信系企業で働いていたバックグラウンドを持つ。
Epickal ABはスウェーデン南端の街・ルンドにある。現在ソニーモバイルやエリクソン、ノキアなどが拠点を構える北欧随一のIT・通信の先端発信基地だ。大学生が人口の4割を締める非常にアカデミックな街としても知られる。
彼らが商品化した「EARIN」は、両耳のイヤーピースがケーブルフリーという、完全独立タイプのイヤホンだ。別途トランスミッターが必要だったり、片耳タイプのヘッドセットはこれまでにいくつもの商品が世に出ているが、左右のイヤーピースが両方ともにケーブルフリーで、しかも高音質を謳うオーディオ用Bluetoothイヤホンとして商品化されたケースは他にも類を見ない。商品開発の起点についてゼンストローム氏は、「着想はとてもシンプル。ケーブルが要らない、とても小さなイヤホンを作りたかったから」とシンプルに言い切る。
Epickal ABのファウンダーメンバーは2013年にチームを結成して会社を興した。いわゆるベンチャー企業であり、スタートの活力に満ちたメンバーたちは、創業当初、毎日コーヒーテーブルを囲み、時には酒を酌み交わしながらEARINのアイデアを練り上げた。同じ年の春には製品の概略を固めてプロトタイプをつくり、続く2014年後半には「思い切りで企画を実行に移した」とゼンストローム氏が振り返る、クラウドファンディングサービスのキックスターターにEARINのプロジェクトを公開した。プロジェクトを前に進めるための出資を募りつつ、商品開発のより具体的なステージに重要な一歩踏み出した。なぜ彼らは敢えてベンチャーという生き方を選び、クラウドファンディングで資金を集める手法を採ったのか?最終決定を下したのは自分自身だと語るゼンストローム氏がその理由を次のように述べている。
《山本 敦》
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