ベルリン・フィルの演奏をIIJがハイレゾ配信! | RBB TODAY

ベルリン・フィルの演奏をIIJがハイレゾ配信!

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 世界最高峰のオーケストラの演奏が高精細なストリーミング配信で、高音質のハイレゾ音源で楽しめる。そんな音楽ファン待望のサービスが始まる。インターネットイニシアティブ(IIJ)は8日、ベルリン・フィル・メディアとネット配信サービスにおけるストリーミングパートナー契約を締結したことを発表した。同日、上野・東京文化会館で記者説明会が行われた。

 同契約を受けてIIJは、同社が提供するインターネットラジオ「PrimeSeat(プライムシート)」において4月16日より、新番組「ベルリン・フィル アワー」を配信開始。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏をハイレゾ音源でリスナーに届ける。また今後、ベルリン・フィルの映像配信サービス「デジタル・コンサートホール」において、IIJが「ストリーミングパートナー」となり高精細映像と高品位音声を融合する未来の配信サービスを実現していくという。

 他社に先がけ、早い時期からストリーミングに関するサービスのあり方を模索してきたIIJ。説明会に登壇した同社 代表取締役会長の鈴木幸一氏は、その冒頭「1996年にはニューヨークで行われたYMOのライブを現地から生中継した。小澤征爾さんの指揮によるサイトウ・キネン・オーケストラのマーラーの交響曲第9番の演奏を、ここ東京文化会館から中継したこともあった」と、まずはこれまでの実績を紹介した。映像・音楽の分野でインターネット、IP技術の活用がより一層進むと捉えている同社では、“コンテンツ配信事業の強化”を今後、ビジネスの柱のひとつとして育てていく考えだ。

 サービスの開始に先立ち、音楽の専門家を招いて実証実験も行っている。その結果、歪みやノイズといったCDでは決して聞くことのできない臨場感あふれる音が音源から聞き取れた、と高評価を得たという。鈴木会長の情熱の根底にあるのは、日本が世界においていかれるのではないかという危機感。「長い間、ベルリン・フィルさんとディスカッションを重ねてきた本サービスが、日本を変えるきっかけになれば」と抱負を語った。

 「これまで可能な限りいろいろな形で、ライブ音源を皆様にお伝えしてきた」と語ったのは、ベルリン・フィル首席チェロ奏者でありメディア代表のオラフ・マニンガー氏。同楽団とメディアの歴史を振り返り「カラヤンの時代には、ソニーの大賀さんの力添えもありCDを使って私たちの演奏を多くの人に届けてきた。現在はインターネットでデジタル・コンサートホールを届けている」と説明。時代にマッチした最高のメディアを通じて、同楽団のファンを世界中に広げてきたという自負がある。「このたび、IIJさんの協力を得たことは大変大きな喜びで幸運だった。ストリーミングの未来を一緒に考えていきたい」と笑顔になった。

 また、ベルリン・フィル・メディア取締役のローベルト・ツィンマーマン氏はデジタル・コンサートホールの概要を説明した。同楽団の有料コンサート映像配信サービスで、HD画質で年50回のライブを中継している。これまで通算2,000万人がアクセス、全世界で75万人が利用者登録。アクティブユーザー数は3万人いるという。新規に開始されるハイレゾ・ストリーミング・チャンネルはIIJのインフラで配信するもので、FLAC 24bit/48-192KHzで提供。世界に先がけ、日本で先行スタートするという。
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《近藤謙太郎》

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