ベルリン・フィルの演奏をIIJがハイレゾ配信! 2ページ目 | RBB TODAY

ベルリン・フィルの演奏をIIJがハイレゾ配信!

IT・デジタル 回線・ブロードバンド
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 サービスの開始に合わせ、サー・サイモン・ラトル指揮のシベリウス交響曲全集をPCM 24 Bit/192KHz (2.0)で、同シューマン交響曲全集をPCM 24 Bit/192KHz (2.0)、ニコラウス・アーノンクール指揮のシューベルト・エディションをPCM 24 Bit/48KHz (2.0)で提供する。なおFLAC音源は一般的なブラウザ上で簡単に再生が可能で、プラグイン、ソフトのダウンロードの必要はないという。今後、他レーベルのハイレゾ音源などもアップされる見込み。また、録音についての詳細情報のほか、楽器、スコア、楽曲形式、字幕などの背景情報も閲覧できるようになる予定だ。

 IIJ 配信事業推進部 副部長の冨米野(ふみの)孝徳氏は、今回のパートナーシップの概要を説明した。同契約でIIJはベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールを技術面、資金面の両面でサポートしていく。その目的は「未来の配信メディアのため」。前述のPrimeSeatサービスではベルリン・フィルの定期演奏会のほか、さまざまなアーティストのリサイタルや、各地で行われる音楽祭などを高音質で提供していく方針だという。

■コンサートホールの雰囲気が何よりも大事

 説明会の最後に質疑応答の時間が設けられた。

--- なぜ、日本で先行的に開始するのか。

オラフ・マニンガー氏:日本には、ベルリン・フィルを大切に思ってくださる方々がたくさんいる。私たちにとって親しい大切なお客様で、かつ演奏のクオリティに対しては高い要求やこだわりを持っていらっしゃる。また日本のインフラの環境は、ドイツとは比較にならないくらい進んでいる。例えば日本で光ファイバーを使っているエンドユーザーは全体の60%にも達すると聞くが、ドイツでは同5%。こうした理由から、今回のサービスを行うのに日本ほど適した国はない。

--- 今回のサービス内容は、トライアルの側面が強いのか。

IIJ 鈴木氏:すぐに儲かるようなプロジェクトは、あまり大したビジネスにならない。インターネット事業をはじめて長い時間が経つが、やっとここまできたかという気持ち。日本は素晴らしいインフラを持っているのに、将来これに取り組もうというビジョンがはっきりしない。今回のサービスは商売を考えていないわけではなく、将来の事業の柱になると想定している。でもまずは高品質の配信事業を、日本に根付かせることが大事。

--- 生の演奏と、録音の違いに関してどのように考えているか。

オラフ・マニンガー氏:芸術が生まれる、コンサートホールの雰囲気を何よりも大事にしている。コンサートホールもひとつの楽器。いくら技術が進化したとしても、演奏者とお客様の間に生まれるエネルギーまで写しとることはできない。スポーツであれ、美術であれ、ライブの瞬間が大事。これから先、技術が進歩してもライブの瞬間の空気感、エネルギーの尊さはのようなものは、残り続けると思っている。
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《近藤謙太郎》

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