目線を変えることで気づくリスク……もしも会社で被災したら?#02 | RBB TODAY

目線を変えることで気づくリスク……もしも会社で被災したら?#02

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東日本大震災による揺れで外壁が崩れ落ちた築年数が古いビル。震災発生後、30分後にはすでに警察官が駆けつけ、交通整理を行っていた(撮影:防犯システム取材班)
東日本大震災による揺れで外壁が崩れ落ちた築年数が古いビル。震災発生後、30分後にはすでに警察官が駆けつけ、交通整理を行っていた(撮影:防犯システム取材班) 全 8 枚
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 サラリーマンにとって1日の大半を過ごすことになる会社周辺。このご時世、家にいる時間よりも職場にいる時間の方が長いという人も少なくないだろう。

 少し前に「住民と通勤者で異なる避難場所……もしも会社で被災したら?」と題したコラムで、通勤者(帰宅困難者)の避難場所となる「災害時退避場所」について書いたが、今回はさらに一歩進んで、千代田区にある勤務先から「災害時退避場所」として指定されている「北の丸公園」まで実際に歩き、東日本大震災当日の揺れや周辺の被害状況を思い出すなかで気づいたことをまとめていきたい。

●目線を変えることで気づくリスク

 普段何気なく歩いている時には、皆さんはどこを見ているだろうか? 私の場合は基本的に進む先を何気なしに見ている。

 しかし、地震報道を見ていると、大地震後には、通れたはずの道路が土砂やがれきでふさがれていたり、思いもよらぬものが上から落ちてきていることに気づく。

 東日本大震災当日を思い出すと、勤務先周辺でも木造家屋を中心に、屋根瓦が落ちたり、土壁の倒壊、さらに家自体の倒壊が幾つか起き、一部の歩道が塞がれ、クルマと歩行者、そこに見物人が加わり、ちょっとした混乱状況が起きていた。

 それを踏まえると、「災害時退避場所」までの経路を考える場合には、道がふさがれる可能性が低い、国道のような大きな道路沿いを軸とした避難ルートの設定が最適だといえる。

 筆者の場合は、徒歩1、2分で国道に出れる立地に勤務先があり、国道に出るための比較的細めの道も複数ルートあり、仮にどこかのルートが塞がったとしても、別ルートから国道に出られる状況にある。

 基準となるルートを選んだら、今度はそのルートを実際に歩いて、道路沿いの建物の築年数や種類(木造か鉄筋コンクリートかなど)、工事中の箇所、落下が想定されるものなど、災害を意識しながら歩いてみた。すると素人目にもわかる危険箇所を発見できたり、「耐震診断済」と書かれた建物に貼られた青色のステッカー、「千代田区 総合防災案内板」、「災害時帰宅支援ステーション」といった防災に関連した取り組みに気づくことができる。

●耐震基準を示した青色のステッカー「東京都耐震マーク」

 例えば実際に歩いている際に都営地下鉄の入り口で見つけた「耐震診断済」という青色のステッカー。調べてみると、東京都が2012年4月より始めた「東京都耐震マーク表示制度」という取り組みで、申請があった耐震基準に適合した建築物に対して無料でステッカーを配布を行っている。種類は3種類あり、「新耐震適合」(昭和56年6月以降に建てられた建築物)、「耐震診断済」(耐震診断により耐震性が確認された建築物)、「耐震改修済」(耐震改修により耐震性が確保された建築物)に分類されている。このステッカーが貼られていることで、耐震への一定の安全性の担保になるので、避難ルート中にこうした建物があるかを確認しておくと避難中に大きな余震に遭遇した場合に安心だ。
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《防犯システム取材班/小菅篤》

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