充血しててもOK? 白目部分で本人確認できる生体認証「Solus」 | RBB TODAY

充血しててもOK? 白目部分で本人確認できる生体認証「Solus」

IT・デジタル セキュリティ
眼球の白目部分による認証というユニークな生体認証で、従来の生体認証が抱える弱点を解決。スマホのカメラを使用するため低コストで導入できる点も魅力だ(撮影:防犯システム取材班)
眼球の白目部分による認証というユニークな生体認証で、従来の生体認証が抱える弱点を解決。スマホのカメラを使用するため低コストで導入できる点も魅力だ(撮影:防犯システム取材班) 全 3 枚
拡大写真
 santecは、東京ビッグサイトで13日まで開催された「Japan IT Week 春 2016」内の「スマートフォン&モバイル EXPO 春」にて、眼の生体認証「Solus」の展示を行った。

 「Solus」は眼球の白目部分にある毛細血管で個人の照合を行う生体認証システムで、1秒未満という認証速度と99.998%以上という高い認証精度が特徴。照合には一般的なスマートフォン搭載のカメラを使用するため、専用機器が必要なく、低コストで導入可能な点が特徴となる。

 生体認証といえば顔認証や指紋認証、虹彩認証などがよく知られているが、実はそれぞれ強みと弱みも存在する。

 例えば、顔認証なら加齢による変化や眼鏡・髪型など外見の変化に弱く、製品によっては生体検知が無く、写真でも認証できてしまうこともあるという。また、指紋認証は複製されるリスクがあったり、汗などによる動作不良が懸念され、虹彩認証なら、コンタクトや眼鏡装着時に認識できないといった点が弱みとなる。

 一方で「Solus」の白目部分の毛細血管による照合は、こうした問題をクリアしており、セキュアで確実な認証が可能。すでに海外の金融機関では採用している事例もあり、Fintech(フィンテック/Financial technology)としても注目を集めている。

 そもそも人間の眼の白目部分にある血脈には、個人ごとに固有の特徴がある。「Solus」は、その特徴をデータ化し、それをベースに認証を行うことになる。顔写真を登録するタイプの顔認証と比べると、利用時に抵抗感が少ないのも特徴の1つとなる。

 ちなみに気になるのが「もしも眼が充血していたら認識するのか?」ということ。その疑問を同社ブースで担当者に尋ねると、白目部分の画像で認証するわけではなく、特徴的なポイントをデータ化して認証するため、充血の有無は関係なく、メガネやコンタクトを付けていても認証は問題なく行えるとのこと。

 一方でデメリットとしては、カメラに眼を近づけて認証させる必要があるため、ウォークスルーで多人数の認証をスピーディーに行うといった運用には不向きだ。最適な利用シーンとしては、ECサイトやネットバンキングでの決済時の本人確認、パソコンやWebサービスの認証などになるだろう。

 また、「SolusConnect」というプラットフォームを使うことで、眼の生体認証の他にも暗証番号の入力時に毎回キーパッドの数字配置が入れ替わる「D-Lock」、タッチパネルやキーボードに入力する際にユーザーの特徴的なクセから認証を行う「BehavioSec」と組み合わせたマルチファクター(多要素)認証を行うことができる。

《防犯システム取材班/鷹野弘》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース