ドワンゴのAI囲碁ソフトがプロ棋士と対局!趙治勲名人「鉄腕アトム相手に打つ感覚」 | RBB TODAY

ドワンゴのAI囲碁ソフトがプロ棋士と対局!趙治勲名人「鉄腕アトム相手に打つ感覚」

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日本囲碁界を代表するトップ棋士の趙治勲名誉名人(右)と、コンピュータ囲碁ソフト「DeepZenGo」の開発者の加藤英樹氏
日本囲碁界を代表するトップ棋士の趙治勲名誉名人(右)と、コンピュータ囲碁ソフト「DeepZenGo」の開発者の加藤英樹氏 全 8 枚
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 日本発の囲碁AIと、トップ棋士が対局する「第2回囲碁電王戦」が開催される。ドワンゴが公益財団法人 日本棋院と協力して開発したコンピュータ囲碁ソフト「DeepZenGo」が対戦するのは、日本囲碁界を代表するトップ棋士の趙治勲名誉名人。ハンデなしの三番勝負で決着がつけられる。日本棋院市ヶ谷本院にて9日、記者説明会が行われた。

 世界トップレベルの囲碁AIの開発を目指した「DeepZenGoプロジェクト」は、3月に始動。9月には、棋力(囲碁の実力)の指標となるレーティングが3000まで急上昇。このことからプロ棋士と対局できると判断し、11月19日、20日、23日に三番勝負を行うことが決定した。全対局の模様はニコニコ生放送で完全中継される。

 コンピュータ囲碁ソフトをめぐっては、2016年3月に韓国・ソウルで行われた対局においてトップ囲碁棋士の李世ドル氏が人工知能囲碁「AlphaGo」に敗れたことが世界的にも話題になった。これについて、開発チームの尾島陽児氏は「トップ棋士が負ける日が、意外とあっさり来てしまい少々残念。しかし、ソフトの開発が停滞気味だったので良い刺激になった」とビデオメッセージを寄せた。

 AlphaGoを追いかける形になったDeepZenGoだが、既述の通り、この数ヶ月でレーティングが急上昇している。ドワンゴの川上量生会長によれば「すでに昨年時のAlphaGoには勝てる状態」だという。AlphaGoとDeepZenGoは何が違うのだろうか?尾島氏と共に開発に携わる加藤英樹氏は「機械学習のさせ方、ネットワークの構成、新しい技術の取り込み方など、AlphaGoとは思想がまるで異なる。AlphaGoは、どちらかというと戦いを避ける棋風。DeepZenGoには、そのようなところがない」と説明した。

 川上会長は「ドワンゴではこれまで、人間vsコンピュータの将棋大会などを行っており、囲碁大会も開催したいと思っていた。第2回囲碁電王戦は、DeepZenGoがプロ棋士と対戦できる実力になったことを示すための対局。世界的に知名度のある方、現役でトップレベルの実力の方、コンピュータとの対戦など新しいことにチャレンジする意欲のある方、という点を考慮した結果、趙治勲先生にお願いできることになり嬉しい」と笑顔をつくった。

■対戦相手に、早くも火花?

 プロジェクトを代表して、加藤氏は「対局まであと10日間、できる限りのことをする。勝負は時の運、と先に言い訳はしておきたい。昨年、趙治勲先生にDeepZenGoの対局をみていただいたとき、”10年早い”などとケチョンケチョンに言われた。そういう経緯もあり、今回はDeepZenGoでケチョンケチョンに負かすのが恩返しだと思っている」と挨拶。
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《近藤謙太郎》

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