飛び出し事故を抑止!靴センサーによる歩行者検知システム
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
パシフィコ横浜で開催された「Embedded Technology 2016」及び「IoT Technology 2016」に出展していたルネサスイーストンは、「EnOcean」技術の活用例として、スター精密が手掛ける振動発電式センサーを使った、交通事故の予防予知を実現するための靴センサーソリューションの提案を行っていた。
同ソリューションに使われているセンサーの最大の特徴は、環境発電とその電力を使った無線通信が行える「EnOcean」技術を採用している点。ここでいう環境発電に当たるのは、振動発電で、靴底などにセンサーを搭載することで、歩いたり、走るたびに発電を行い、その電力を使って、無線通信を行う。電波の送信距離は、屋外なら200~300m、屋内であれば30~50mとなっている。
交通事故の予防予知という活用例としては、歩行者の靴底に搭載されたセンサーの位置情報を街頭に設置された受信機が拾い、その情報を一旦クラウドで集約し、走行中の車に対して、周囲に歩行者がいるという警告を出すというもの。これにより、歩行者がドライバーからは死角にいたとしても、あらかじめ注意をうながすことで、飛び出しなどの出会い頭の交通事故を抑止することができるわけだ。
ちなみに今回の展示は、あくまでも「EnOcean」技術を使うことで実現可能なサービス例として、同ソリューションが提案されたわけだが、仮に実用化を考えた場合には、センサーを搭載した靴の普及や、センサーデータを取得するためのアンテナや受信機といったインフラの普及など、乗り越えるべき課題が複数あるという。
そうしたことを踏まえると現段階では、まだまだ「夢の交通事故抑止ソリューション」かもしれないが、技術的にはこうした交通事故の予防予知ができるということは、不幸な交通事故を減らすためのひとすじの希望のようにも感じる。
《防犯システム取材班/小菅篤》
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