「VIE SHAIR」は本当に耳が痛くならないヘッドホンなのか?試してみた【オトナのガジェット研究所】
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
音質をチェックしてみると、ディティールの解像感が高く、各帯域の音がバランス良くきこえる。オープン型のフレームで聴くと、中高域の開放感が高く、ボーカルの透明感が引き立つ。低域をぐっと引き締めたいときにはオープン型のフレームに交換するといいだろう。特に音のチューニングについてはオーディオメーカーのヤマハと共同開発しているというから、このパフォーマンスには納得だ。
同機の心臓部であり、音を鳴らすために重要になる振動板と呼ばれるパーツは平面磁界駆動という珍しい方式で作られている。各帯域の音のつながりが自然でスムーズなのが平面磁界駆動方式の特徴だ。同機の場合はさらに振動板が58mmと大型なので、ゆったりと余裕のあるサウンドが鳴らせる。その点でも、例えばポータブルヘッドホンをすでに一台持っていたとしても、また違ったテイストの音が楽しめるヘッドホンとしてVIE SHAIRを手に入れるのもアリだと言える。
同機はオープン型のフレームを装着すると、音楽が“音漏れ”するし、外の音も飛び込んでくる。だからオープン型のフレームはアウトドアリスニング向きではないが、家の中で音楽を聴く場合は周囲の音にも注意が向けられるし、オフィスで仕事をしながら音楽を聴くときには周りから声をかけられても対応できるので、かえって都合がいい。もちろんボリュームを上げすぎると周りの人に迷惑をかけることもあるが、体験した感覚ではあまりボリュームを上げなくても静かな場所なら十分快適に音がきこえるので心配はあまりなさそうだ。
反対にアウトドアで楽しむ時には密閉型のフレームは必携アイテムだ。こちらを装着すれば音漏れは通常の密閉型ヘッドホンなみ。つまりほとんど漏れないので、こちらもボリュームに気をつければ電車の中などでも気軽に使えると思う。
今回テストした段階ではまだ、専用のスマホアプリが完成していなかったためVIE SHAIRの実力をスタンドアロンでしか試せていないが、完成版ではアプリと連動しながらイコライザーを使ってVIE SHAIRのサウンドを自在にカスタマイズしたり、同じVIE SHAIRどうしをWi-Fiでつないで、同じ音源をペアリスニングする機能なども使えるようになるそうだ。普通のヘッドホンとして考えると29,900円(税込)という価格は少し高いようにも感じられるが、スマホ連動で色んな機能が使えたり、将来的に追加されるのであればお得なようにも思う。
オーディオ・ビジュアルのテクノロジーは、IoTやモバイルに比べると既に確立していて大きな変化に乏しいようにも感じていたが、VIE SHAIRを体験すると、これからクラウドファンディングの仕組みを活かして、斬新なアイデアを武器にするスタートアップが次々と面白いプロダクトを形にしてくる期待感が高まった。
《山本 敦》
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