“共生”を考慮した列車とシカの衝突事故対策「ユクリッド」
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そうした問題の中で、主に鉄道事業者を悩ませているのが、鉄道とシカの衝突事故(衝撃事故)だ。そこで考案されたのが、8日から10日まで東京ビッグサイトで開催された「エコプロ2016」にて、日鐵住金建材が出展したシカ対策システム「ユクリッド」となる。
そもそも「ユクリッド」は侵入抑止柵「ユカエル」と誘鹿材「ユクル」を組み合わせることで、シカによる各種被害を低減するシステム。
侵入抑止柵「ユカエル」に関しては、盛土の斜面に対して垂直に設置することで、外から線路側への侵入が難しく、万一線路側に侵入した際には脱出が容易な構造の柵となる。一般的な背の高い柵などの場合、仮に線路側に侵入されると、シカが上手く逃げることができず、結果的に列車と衝突してしまったのだという。
実際に線路周辺に設置し、1年間の評価を行ったところ、侵入件数は171件から4件に減少し、シカと列車の衝突件数は3件から0件になったそうだ。
また、同社の独自調査の結果、シカが鉄道に侵入するのは「鉄道の鉄分を求めて入り込む」ことが理由だと発見。そこで鉄分による誘因作用でシカを寄せ付ける誘鹿材「ユクル」を開発。
半径20mに設置した結果、最大で7時間の足止め効果を発揮した。さらに各種ワナと「ユクル」を組み合わせることでシカの捕獲に活用することも可能だ。
同システムはシカを駆除するのではなく、シカの行動経路をコントロールして被害を低減する点が特徴となっている。言い換えるなら、野生動物との“共生”を考えたシステムといえる。
《防犯システム取材班/鷹野弘》
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