10万円クラスの炊飯器は本当にスゴいのか?象印『極め炊き』を検証してみた 2ページ目 | RBB TODAY

10万円クラスの炊飯器は本当にスゴいのか?象印『極め炊き』を検証してみた

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南部鉄器の「極め羽釜」
南部鉄器の「極め羽釜」 全 11 枚
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 まずは、いつもの炊飯ジャーから。この米はもとから水分が多く、見た目も味もいつも少しべっちゃりとした印象だ。味はごく普通でさっぱりとしている。

 一方の『極め炊き』だが、蓋を開けたときから、炊きあがりの米のひとつぶひとつぶが独立しているのが目に入った。お米のうる艶感もべたっとしたものではなく、一粒一粒につやがあり、ふっくらしているようだ。



 口に入れた第一印象は、米粒のひとつひとつがしっかりとしていること。べっちゃりと粒がつぶれずに厚みがあるため、米に噛みごたえがある。味も、我が家のジャーで炊いたものよりも確かに米の甘みが強く、噛むたびによりはっきりとした甘みを増す。 

お米は粒がしっかり炊き上がる

 炊けた米粒を比較してみると、『極め炊き』のほうは粒にふっくら「厚み」があり、他の粒とべっちゃりとくっついていないことがわかる。月並みな表現だが、「お米が立っている」というところだろう。

左が著者宅の釜、右が「極め羽釜」

 第三者の意見として、我が家の育ち盛り10歳と14歳の男子を召喚した。後ろを向いて目をつぶらせた2人に格付けチェックよろしくそれぞれの米を食べさせ、「高い方の炊飯ジャー」だと思う時に手を上げてもらう。結果、10歳児はランダムに5回ほど繰り返しても全て的中。一方食べ盛りの中2男子は5割の結果だったので、きちんと噛んで食べる人間にはわかるものの、かきこんで食べるタイプの人には残念ながらこの差はわからないのかもしれない。

■保温後も「もっちり」で水分OK。お味は......

 さて、炊飯ジャーといえばもちろん「炊く」のが仕事だが、もうひとつの大切なお役目といえば「保温」。商品説明には「うるおい二重ぶた」と本体外にめぐらされた「断熱フレーム」で「40時間までおいしく保温できます」と書いてある。 残念ながら40時間とはいかなかったものの、寝て仕事にでて戻っての16時間の「保温」を敢行してみた。結果、16時間保温されたご飯は炊きたてとは別物だった。炊きたてのうる艶感は消え、味も保温したときのご飯の味になっている。ただ、味は落ちているものの、水分はしっかり残っており保温ごはんにありがちなパサパサ感はほとんど感じなかった。もっちり感はそのままに味だけ落ちた、といいうところだろう。 

 また、毎日炊く人間には取扱いの手間も大切なポイントだが、重厚な精密機械ながら、二重の内蓋も取り出しやすく洗いやすい工夫がされている点は、優秀と言える。


■炊きたての美味しさをいかに保つかが課題か



 実は先日我が家が購入した洗濯乾燥機が、かれこれ10万円。その大きさと比較すると高額すぎるのでは?という疑問も抱きつつ試させてもらった今回の象印・圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』(NW-AS10型)。炊き上がった米の粒粒感・もっちりうる艶感は文句なしに素晴らしいものがあり、この点に関しては何の不満もない。しかし、炊き方のメニューがあまりにも多く細分化されすぎて、よほどお米にこだわりのある人間しか必要としないのではないか、そして例えば炊きあがりに重きを置きそうな年代の熟年・老年層が果たしてこの小さな文字のメニュー機能を使いこなせるのか?という疑問は残る。また、炊飯直後の状態があまりに完璧なため、保温機能がたとえよくても「味が落ちた」とどうしても感じさせてしまうのも、一長一短といえるだろう。

 結論としては、凝り性でとにかくごはんの炊き方にこだわりがある人、様々な種類のご飯や粥を日頃から炊く可能性がある人には、一考の価値がある、というところではないだろうか。
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《築島 渉》

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