「松江トランキーロ開発合宿2017夏」には、島根県内のIT企業からエンジニアが6名集まった。プログラミング言語「Ruby」を用いて開発されるこのアプリには、「ひやおろしタッグ・チャンピオン・カーニバル」に参加する店舗の地図情報や店ごとの混雑情報、各店舗で提供される日本酒への投票機能などが搭載される。Rubyの中心的な開発者の1人で、Ruby「コミッタ」である前田修吾氏も参加し、開発が進められた。
なぜお寺で開発を?これには島根県のIT産業の振興施策と意外な繋がりがある。島根県は現知事である溝口善兵衛氏が2007年に就任した際に、Rubyを軸としたIT企業の誘致や人材育成・確保に力を入れ「地方創生」に取り組んできた。
このお寺の次男である佐藤文昭氏が松江市にてRubyによるまちづくりを推進する産業支援センターに所属しており、主催者がハッカソンの会場を探していた際に声をかけられたことがきっかけなのだという。島根県風に言えば、「ご縁」でハッカソン開催に至ったというわけだ。
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ハッカソンの主催者は「島根県には美味しいお酒があることを県内外の多くの方に知ってもらいたい、ITの力で島根県を盛り上げたい、と思いハッカソンを企画した。飲み歩きイベントでは、様々な個性の日本酒から自分の好みの日本酒を見つけて楽しんでほしい。」と想いを語った。
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開発したアプリは、まだ細かな調整が必要ということだが7月末にはリリース予定だという。今回のハッカソンに参加したメンバーは、半分以上が県外から進出した企業に所属するUIターンのエンジニアだ。他県から企業を受け入れた結果、UIターンした人材が地域と密着し新たな価値を作り出す。これもITをひとつの軸として「地方創生」を目指した島根県ならではの一つの答えではないだろうか。