歌舞伎町で我を忘れる!取り乱す!!リピート率8割超えのVR施設はなぜ人気? 2ページ目 | RBB TODAY

歌舞伎町で我を忘れる!取り乱す!!リピート率8割超えのVR施設はなぜ人気?

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大人気のマリオカートを体験中。
大人気のマリオカートを体験中。 全 18 枚
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■マリオカートが最高に楽しい!

 筆者もいくつかVRアトラクションを体感させてもらった。なかでも強烈に印象に残ったのが「マリオカート アーケードグランプリVR」。様々なハードに移植されバージョンアップを繰り返してきた任天堂の超人気シリーズだが、個人的にはこのVR版にて遂に「完成」したように感じた。まず紹介したいのが、そのリアルな世界観。たとえば「パックンフラワー」など、これまでのマリオカートシリーズと比較しても飛び抜けて迫力があって怖い。落ちてくる「ドッスン」の重量感も半端なく、思わずハンドルを大周りにきって回避してしまった。

「マリオカート アーケードグランプリVR」は、人気シリーズの完成版とも言える出来の良さだった
「マリオカート アーケードグランプリVR」は、人気シリーズの完成版とも言える出来の良さだった


 基本的には両足でアクセルとブレーキを踏み分けながら、ハンドル操作でコースを進んでいく。ただレース途中で取得できるアイテムを使うため、片手ハンドルになることもあった。空いている手を振り回してライバルを叩くわけだが、これが何とも言えず快感だった。なおレース中はインカムを通じて仲間の声も聞こえるようになっており、アイテムで邪魔をしたときなど、仲間から悲鳴が聞こえてくるとたまらなく楽しい。

 VR版マリオカートは全身運動が要求されるゲームに仕上がっており、これが没入感の増幅につながっていると感じた。レースは4人同時プレイが可能。友人グループで遊びに行ってマリオ、ルイージ、ピーチ、ヨッシーに分かれて対戦すれば、最高に盛り上がることだろう。

【マリオカートのプロモーション動画】


■お台場の知見が活きた

 木村氏によれば、お台場でVR ZONEを展開したときの知見がゲームの開発にも役立っているという。上記のインカム導入もそのひとつ。「お台場のブースでは、複数人で協力プレイできる『ホラー実体験室 脱出病棟Ω(オメガ)』が高評価でした。インカムをつけてプレイヤー同士で相談し合いながら廃屋の病棟を進んでいくゲームなのですが、仲間の叫び声で恐怖が伝播するんですよね。そこでVR ZONE SHINJUKUにはインカムで会話できるアトラクションを増やしました。たとえばマリオカートなら、甲羅で●●●君がやられた、なんて会話で盛り上がってくれることを期待しています」。

お台場で大人気だった脱出病棟ΩはVR ZONE SHINJUKUでも体験可能
お台場で大人気だった脱出病棟ΩはVR ZONE SHINJUKUでも体験可能


装甲騎兵ボトムズ。操作が難しいが、攻撃が命中したときの爽快感は格別
装甲騎兵ボトムズ。操作が難しいが、攻撃が命中したときの爽快感は格別


 人気のアトラクションが増えると、気になってくるのが待ち時間。夏休みの週末には、最大で2時間待ちになることもあったという。これについて、木村氏はいくつかの取り組みを紹介した。「お客さまにVRの世界に没入してもらうため、ゲーム前の丁寧な説明は重要視しているんですが、そのクオリティは変えずに導線を含めてスムーズ化したところ、行列状況がかなり改善しました。また、どうしても時間がないというお客さまにはエクスプレスチケットをご用意。1,000円を追加で支払っていただくことで、優先的にご案内することも可能です」。

筆者が訪れたのは10月上旬、雨の降る平日の午後だったため、いくつかのアトラクションは並ばずに遊べる状態だった
筆者が訪れたのは10月上旬、雨の降る平日の午後だったため、いくつかのアトラクションは並ばずに遊べる状態だった


■「VR」+「風」や「熱」でリアル感アップ

 リアル感を醸し出す演出も手が混んできた。「急滑降体感機 スキーロデオ」では、HMDを装着したプレイヤーに送風機で風を送ることで、雪山をスキーで滑り落ちている錯覚を生み出している。「ガンダムユニコーンVR 激突・ダイバ上空」では、ガンダムが手に持つビームサーベルの熱さをヒーターで表現。「ドラゴンボールVR 秘伝かめはめ波」では、かめはめ波を打たれたプレイヤーに空気の塊が当たる仕掛けになっていた。

ガンダムの手にしがみつき、お台場上空で繰り広げられる空中戦を目の当たりにできる「ガンダムユニコーンVR」。ビームサーベルの熱さをヒーターで感じられる
ガンダムの手にしがみつき、お台場上空で繰り広げられる空中戦を目の当たりにできる「ガンダムユニコーンVR」。ビームサーベルの熱さをヒーターで感じられる


もはやお台場にいるとしか思えない臨場感
もはやお台場にいるとしか思えない臨場感


ガンダムが迫ってくると思わずのけぞるほどの迫力があった
ガンダムが迫ってくると思わずのけぞるほどの迫力があった


 このように映像と体感マシンをうまく融合できるのも、アミューズメント施設に向けたマシンを長きに渡り開発し続けてきたバンダイナムコエンターテインメントならではの強みと言える。ところで「VR」と言えば、視覚と三半規管にズレが生じることにより起こる「VR酔い」がしばしば課題として言われるが、この日、筆者が体感したアトラクションではまったく酔うことはなかった。木村氏は「技術的なところを相当突き詰めて作っています。改善を重ねた結果、VR酔いは最小限に抑えられています」と説明する。映像と操作感のズレがない、高クオリティの体験を実現しているわけだ。

アクティビティごとに工夫された特徴ある筐体
アクティビティごとに工夫された特徴ある筐体


館内中央に立つセンターツリー。東京駅のプロジェクションマッピングを担当したネイキッドが手がけるもので、訪れた時間によって演出が変わり、フォトスポットになっていた
館内中央に立つセンターツリー。東京駅のプロジェクションマッピングを担当したネイキッドが手がけるもので、訪れた時間によって演出が変わる


 最後に、今後の展開について聞いた。ここVR ZONE SHINJUKUを旗艦店とし、これからは一部アクティビティが利用できる小型店舗を展開していく予定だという。ワールドワイドでの展開も目指しており、8月末には小規模店をロンドンに出店。9月には神戸にも出店した。関西地区だけでなく、東北への進出も視野に入れている。ガンダム、アーガイルシフト、スキーロデオ、ホラー体験といった定評のあるVRアトラクションが遊べる地域店が続々と増えていく見込みだ。

 木村氏は「普段は住んでいる地域のVR ZONEで定番アクティビティを遊び、そこにないアクティビティについては東京に行った際にVR ZONE SHINJUKUで思いっきり遊ぶ。そんなスタイルでVRアトラクションの人気を盛り上げていきたい」と話していた。
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《近藤謙太郎》

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