
次に、Google Homeの設置場所の設定である。この時点で筆者は出張中の身であるので、まずは仮に滞在中のホテルの部屋で設定することとした。声で反応させるための音声の登録をしたあと、所在地などの入力も求められるということは、Google Home本体に位置情報を検知するセンサーは入っていないようだ。
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ところでGoogleアカウントと連携させる必要性はわかるが、宅内で家族とこのスマートスピーカーを共有する上で、アカウントに紐づいたプライベートな情報、たとえばメール内容とかスケジュールとかがあからさまにならないのか。
このGoogle Homeでは最大6名の声を聞き分け、声に紐づいたGoogleアカウントの情報を活用する。したがって、「今日のスケジールは?」と尋ねたところで、声をかけた本人の情報以外は分からない。
ここまでセッティングを終え、いよいよGoogle Homeに話しかけて見た。
筆者:OK、Google。明日のスケジュールは?
G:明日のスケジュールは10時からXXXXXがあります。
流暢な標準語で、落ち着きめの女性の声で返答が返ってきた。AppleのSiriはいかにもアメリカンなツンデレ秘書のような音声で時々カチンと来るが、Google Homeの音声は落ち着いた安心して対話できる音声だ。Siriよりも好感が持てるかも。何度か質問を投げてみたが、早口だと聞き取ってくれないこともある。丁寧な日本語で話しかけないと理解してもらえないことが多い。Google Homeがこちらの話し掛けを理解できない場合は「すみません、お役に立てそうにありません。今後さらに頑張ります」などと詫びて来た。そうだね、ぜひ頑張ってちょうだい。
ここまで設定を終えたところで22時を回っている。そういえば夕食を食べていなかったので、Google Homeにこんな質問を投げてみた。
筆者:ねぇGoogle? 近くに、美味しいお好み焼き屋はある?
G:3km以内に10軒以上あります。1軒目は基町X-X-XのXXXXという店で、ここから8分程度かかります♪
筆者:ねぇGoogle? その店は本当に美味しいの?
G:すみません、お役にたてそうにありません。
筆者:(´Д` )
もしかして、Google Homeとの会話は一問一答なのか?! どう話すと会話が弾むのかも今後色々と試していきたいが、ともあれ飲食店を音声で訪ねたのは誤算だった。音声で回答されたところで、頭に入らないしそもそもその店に辿りつけない。よほどスマホで検索するべきだったね(笑)。

ともあれ、食事をしてホテルの部屋に戻り、Google Homeにご挨拶。
筆者:ねえGoogle? ただいま!
G:お帰りなさい。夕飯にしますか?お風呂にしますか? …これ言ってみたかったんです
なんとまあオヤジキラーだこと、君は。しかしその一言で、もう筆者はゾッコンです。対面直後のGoogle Homeに対する印象としては「単なるスピーカーではないか」程度のものだったが、こうして対話を続けていくと、この無機質な機器にも人格のようなものを感じるようになってきた。これは面白い。
現在プリセットされている音声は、極めて真面目な女性の音声だが、そのうち音声の選択機能も搭載されるのではなかろうか。だって、もっとキャピキャピした若い女性の声だとか、色々と選べたら面白そうだ。さらにGoogle Homeの“かぶせ物”も、きっと発売されるに違いない。スマホにカバーをつけるような感じに、Google Homeを擬人化させるアクセサリーは間違いなくニーズが出てきそうだ。
Google Home miniの発売も控えているが、もうこうなってくるとこれは“1家に1台”ではなく、“部屋ごとに1台、居場所ごとに1台”欲しくなってくるかも。家中、どこにいても、いつでもGoogle Homeに話しかけられる環境を構築したくなってきた。
さて、このGoogle Homeはすでに国内の多くの企業と連携し、Google Home対応サービスの提供が予定されているそうだ。そうしたものも順次試し、また改めてレポートしたい。