人工衛星からの画像を営農に役立てるサービス「天晴れ」……農作物の生育状況を診断 | RBB TODAY

人工衛星からの画像を営農に役立てるサービス「天晴れ」……農作物の生育状況を診断

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国際航業のブース
国際航業のブース 全 3 枚
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 農業に関するサービスや製品が集結する「農業ワールド2017」が、千葉市 幕張メッセでおこなわれた。「次世代農業EXPO」のエリアにおいて、国際航業では衛星写真やドローンでの空撮画像を営農支援に活用するサービスを紹介していた。

■営農支援サービス「天晴れ」

 国際航業の営農支援サービス「天晴れ」は、人工衛星やドローンから撮影した圃場の画像を分析、農作物の生育状況の診断に役立てるもの。月額利用料、ユーザー登録料ともに無料で、初期投資額は0円。分析して欲しいときだけ、使用料金を都度払いすれば良いサービス設計になっている。また時期を選ばず、いつでも依頼できる点も特長。施肥や収穫の際の、農作物の生育を確認したい任意のタイミングで診断レポートを受け取れるという。

診断レポート例。「小麦穂水分率マップ」は収穫時期の判断に利用、「牧草地診断マップ」は圃場管理に利用する

 担当者に話を聞いた。「いま地上500~700kmの宇宙空間には、海外の民間企業による約180機もの人工衛星が打ち上がっています。このため、いつでも必要とする画像が手に入ります」(担当者)。海外の人工衛星の代理店を務めることで、今回のサービスが実現したという。

 農家には、どのような情報が提供されるのか。具体的には、大豆なら「生育診断」「収穫適期診断」、小麦なら「穂水分率」「タンパク含有率」、牧草なら「雑草検出」「不良植生割合」といったレポートを提供できる体制になっている。

 大規模農家における利用が増えている。一方で、圃場が小さく飛び地になっている農家でも(JAが窓口になることで)他の農家とデータを共有する試みがおこなわれているとのこと。農家の協力を得て3~4年の実証実験を経てサービス化に踏み切った。農家からは「穂水分率の計測にかかる作業コストが50%以上削減できた」「刈り取りロスが減少した」「事業費を有効に使える」などと喜びの声が上がっているという。

《近藤謙太郎》

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