【今週のエンジニア女子 Vol.69】父親の影響で技術者に！プリンティングデバイス開発に打ち込む……宮越ゆき子さん

今週のエンジニア女子は富士ゼロックスデバイス開発本部　次世代マーキング開発部に勤務、入社6年目の宮越ゆき子（みやこしゆきこ）さん。デジタルプリンティングシステム(電子写真技術)の技術開発を行っており、必須アイテムにはドライバーを挙げてくれた。

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--- 現在どのような業務を行なっていますか？

私の担当している業務は、創業以来の基幹事業であるプリンティングデバイスの開発です。当社は、“ドキュメント”を中心に、複合機やプリンター等のプリンティングデバイス、情報・通信機器、ITソリューションサービスを展開しています。この“ドキュメント”は、紙の上の情報だけでなく、電子情報、映像、音声なども含めた、人の思考(暗黙知)を伝達可能なカタチ(形式知)に変換したものと定義しています。お客様の「知識」や「知恵」をスムーズにつなぐコミュニケーション手段を実現し、価値創造と相互理解の促進を支援することが使命だと考えています。

--- ご自身が携わっているシステムについて教えてください。

商業印刷市場向けデジタルプリンティングシステム(電子写真技術)の技術開発を行っています。最近では、2017年11月1日発売予定のIridesse Production Pressに搭載された新規トナー(カラー・金・銀)技術を担当しました。Iridesse Production Pressでは、1 passメタリックカラー再現や、メディア汎用性の拡大を実現し、従来よりも広いコミュニケーション手段をお客様に提供できるようになりました。6色分のトナーを紙に転写し、定着するのがとても大変で、トナー選定や各プロセスのパラメータ設定等、チーム全員で相当苦労しました。いつも問題抽出用のテストチャートばかり見ているので、お客様が使うようなメタリックカラーのデモサンプルを初めて見たときには、予想以上のキレイさに感動したのを覚えています。

--- 業務の中で大事にしている点や気をつけていることはなんですか？

信頼関係を築くことです。人間どんなに頑張っても、一人でできることには、限りがあります。様々なプロセスが組み合わさってできている電子写真技術はなおさらです。チームで自分のデータや考察を信頼してもらうように、丁寧な実験、データ作成をすることはもちろん、１＋１が３になるように、細かな情報交換から雑談まで、日々のコミュニケーションを大事にしています。

--- エンジニアを目指したきっかけを教えてください

父の影響で、小さいころから技術者になりたいと思っていました。父も技術者で、センサーの開発を行っています。家では仕事について多くは語らないのですが、アメリカ出張で買ってきた飛行機の本を英語で読んでいる姿や、携わった部品が搭載されたロケットの打ち上げをテレビで見ている姿を見て、幼心に「すごいなぁ」と思っていたのを覚えています。私も理系科目が得意だったので、「モノを創って、愛着を持って仕事がしたい」と思い、メーカーのエンジニアになりました。

---　いまの仕事を選んで良かったと思うことはなんですか？

全世界に展開される商品を創れることです。海外旅行に行った時に、自分が携わった商品が使われていたり、当社の看板や広告があったりするのを見ると、すごく感動します。自分の仕事が世界に繋がっている、と実感できることは、身が引き締まりますし、大きなやりがいです。

--- 他の職業では体験できないことはありますか？

その気になれば、何でも自分たちで創れるということです。多岐に渡るハードウェア／ソフトウェアエンジニアが近くにいるので、価値検証をするためのプロトタイプも、アプリ、ハード問わずに、すぐにできてしまいます。デバイス、ソフトウェア、通信すべてを扱っているメーカーならではかな、と思います。

--- エンジニアなら読んでおきたいと思う本を推薦して下さい

落合陽一さんの「超AI時代の生存戦略 ― シンギュラリティに備える34のリスト」。これからどう世界や生活が変わっていくのか、わかりやすく書かれており、勉強になりました。今、IoHデバイスに興味があるのですが、そのきっかけになったのがこの本です。

シェリル・サンドバーグさんの「LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲」。自身の体験を基に女性に対するアドバイスやメッセージが書かれています。読むとスッキリして前向きな気持ちになれるので、疲れたときにはよくこの本を読んでいます。
※エンジニアおすすめの書籍
・超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト
・LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
--- どういった方がエンジニアに向いていると思いますか？

個性の強い方は、エンジニアとして面白い技術が創れるのではないでしょうか。実験の組み方やデータのまとめ方を見て、“その方らしさ”を感じることがあります。その方にしか創れない芯の通った技術という印象で、エンジニアとして格好いいなと尊敬すると共に、見習っています。

--- 今後はどのようなエンジニアを目指していきたいですか？

より新しい価値を提供できるエンジニアになりたいです。そのために、これから頑張って伸ばしていこうと思っていることが2つあります。1つ目は、技術者として、お客様の要望や、生の声を聞き、どのような価値、技術を提供できるのか検討していくこと。2つ目は、ロバストな技術を提供する為に、とことん技術に向き合うことです。２つを兼ね備え、いずれは、お客様の期待を超える商品を創ることが私の夢です。

■ひとくちメモ

Q. 貴方のビジネスツールで自慢の、またこだわりのあるものを教えてください
A. ボックスドライバーです。仕事をするにあたって、印刷機を分解して、部材を入れ替えて、組み立ててという動作が多いので、なくてはならない存在です。いつもジーパンの後ろポケットに挿しているのですが、そのまま家に帰ってしまうこともしばしば。帰りがけ、上司に、「おーい、ドライバー持って行くのかー」と突っ込まれます。一番身近な実験パートナーですね。

Q. お仕事帰りに寄るお店とおすすめメニューを教えてください
A. クラフトビールのお店に良く行きます。おすすめメニューはIPAとフィッシュ＆チップスです。ビールの苦味と香り、からの、フライで中和！！無限ループです。

Q. よく遊ぶ場所は？
A. 友人や同期と遊ぶのは、アクセスのいい横浜、新宿、町田、海老名が多いです。少し遠出する時には、ディズニーリゾートや、江ノ島、御殿場アウトレット等に行くことが多いです。

Q. 好きな休日の過ごし方はなんですか？
A. 友人や同期と旅行に行くことです。国内、国外問わず、色々なところに行きますが、特に奄美大島が好きで、この1年で6回行きました(笑)。都会では味わえない、自然、風景、空気、人の温かさ、時間の流れ。とてもリフレッシュできます。休みの取りやすい会社でよかったです。

Q. お仕事と関係のない今はまっているアプリ
A. 歩数計です。毎日1万歩目指して歩いています。平日は、通勤と実験室と居室の往復で歩数が稼げています。休日は、歩く時と歩かない時の差が大きいな、と、生活を見える化して初めて気付きました。

Q. 理想の男性像を教えてください
A. 芸能人だと、福山雅治さんです。音楽に対するストイックさに脱帽です。