本製品はiPhone Xの発売前、9月15日からアップルストアとAmazonで販売がスタートしていたが、本稿を執筆している11月上旬もまだ品薄が続いているようだ。アップルストアでは出荷まで4~5週間待ちと表示されている。価格は6,980円(税別)。
確かに、スマホのワイヤレス充電機能は使ってみると非常に便利なので、ケーブルによる充電に後戻りできなくなる魅力がある。充電ケーブルを接続する手間は取るに足らないものだが、パッドに置くだけで充電できる手軽さは想像していたよりもインパクトが大きかった。筆者の素直な感想だ。
今回テストしたベルキンの「Boost↑Up Wireless Charging Pad」は最大7.5W対応で、iPhone Xに厚さ3mmまでのケースを装着したままワイヤレス充電ができるQi規格をサポートする充電パッドだ。技術的な詳細は明かされていないが、iPhone X/iPhone 8 Plus/iPhone 8にチューニングを最適化して、効率よくワイヤレス充電ができるというのが売り文句だ。

iPhoneがサポートするQi規格のワイヤレス充電技術が最新世代のものではないため、現在の充電スピードはめちゃくちゃ速いわけではない。参考までに、約1時間の充電でバッテリーが65%から89%まで回復したが、Lightningケーブルを本体に同梱されているアップル純正の5W USB電源アダプタにつないで充電したところ、56%から88%までバッテリー残量を盛り返した。ワイヤードの方が若干速いという結果になった。年内に予定されているというiOSのアップデートでワイヤレス充電がもう少し速くできるようになるそうなので、期待して待とう。

なおiPhone XはMacBookにも付属しているアップルの29W USB-C電源アダプタ(5,200円・税別)を使えば、30分で最大50%の高速充電ができる。スピード重視ならこちらを選ぶ方が得策だ。ただ、もう一つ充電用アクセサリーとして「USB-C-Lightningケーブル」(アップル純正品は2,800円・税別)も揃える必要があるので、出費はそれなりにかかる。

ワイヤレス充電の方法についてはもうコメントするまでもないだろう。iPhoneを置くだけで、充電器のランプがグリーンに点灯して、iPhoneの充電中アイコンが点灯する。充電によって本体が過度に熱を持つことはなかったが、iPhoneに付けているカバーの厚みや素材によってはベストのパフォーマンスが発揮されないこともあるようなので注意したい。
ちなみに今回テストしたベルキンの「Boost↑Up Wireless Charging Pad」はiPhone Xを置いて充電しながらでも音楽を再生したり、メールを作成することなども普通にできた。仕事机に常備しておけばパソコンで作業しながらiPhoneで音楽を再生したり、何かと便利に使えそうだ。

Apple Watchも同じQiの技術によるワイヤレス充電に対応したデバイスだが、ベルキンのパッドの上に置いても反応しなかった。やはりApple Watchにはいまのところ専用の充電器が要るようだ。来年発売が予定されているアップル純正の充電パッド「AirPower」を使うとiPhone XとApple Watchが同時にチャージできるそうだが、AirPowerの詳しい仕様がまだ明らかにされていないので、どの世代のApple Watchがサポートされるのかユーザーとしては気がかりだ。
もしも家族の中にワイヤレス充電に対応するスマホを持っているメンバーが複数いれば、ワイヤレス充電器は家庭に2台以上あってもいいと思う。ベルキンでは5W対応の「Boost↑Up Qi Wireless Charging Pad」を一般販売向けのラインナップとしても揃えている。全国のビックカメラでは2017年11月30日までベルキンの商品を2点同時に買うとお得になるキャンペーンを実施しているようだ。ベルキンに限らなくても、いまワイヤレス充電器の種類は急速に増えているが、充電速度は購入前にぜひ確認しておきたい。IKEAではワイヤレス充電器を一体化したLEDランプスタンドも商品化している。インテリアとして楽しめる充電器もおすすめだ。

iPhoneがワイヤレス充電に対応したことによって、これからカフェやレストラン、空港や駅などの公共施設にも誰でも気軽に使えるワイヤレス充電パッドが増えることにも期待したい。
※iPhone XのFace IDでSuicaが便利に!