


というわけですっかり前置きが長くなりましたが、そのAlexaがようやく日本で、日本語で使えるようになったということで、わくわくしながらAmazon Echoをセットアップしたわけです。が、いきなりWi-Fi設定でつまづいたり、当然ながらアメリカのように「ありとあらゆるものがつながる」という状態にはなっておらず……。購入後の率直な感想は、「ちょっと期待が大きすぎたかな」というものでした。もしCESでのフィーバーぶりを知らなければきっと、「Alexaすげー!」ともっと素直に感激していたと思います。だって米国に比べるとまだ少ないとはいえ、利用可能なサービスの数やできることの種類は、他のスマートスピーカーを圧倒しています。たとえばGoogleカレンダーに登録したスケジュールの読み上げは、ClovaやGoogleアシスタントでもできますが、予定の追加まで音声で簡単にできるのは今のところAlexaだけです。


Alexaは専用のスマホアプリから「スキル」を有効にすることで、できることが増えます。スキルというのはスマホにおけるアプリみたいなもので、Alexaとサービスをつなぐ役割をします。たとえば特定のニュースのスキルを有効にすると、「アレクサ!今日のニュースは?」と尋ねたときに、そのニュースが読み上げられるしくみ。NHKのラジオニュースからRBB TODAYまで、たくさんのニューススキルがエントリーされています。

ニュースのほかにもいろんなスキルがあって、たとえば「食べログ」のスキルではレストランが検索できるし、「ナビタイム乗換案内」のスキルでは乗り換え検索ができるし、英語学習のための「キクタン」のスキルがあったり、人気スマホアプリを移植した「寝たまんまヨガ」というスキルもあります。私が個人的に気に入っているのはスマホで歌詞を見ながら、カラオケが楽しめる「JOYSOUND」のスキル。曲数は100曲ほどと少ないですがヒット曲ばかりなので、忘年会、新年会の余興の練習に役立ちそうです。
もちろん、中には家電をコントロールできるスキルもあるのですが、残念ながらうちにある家電で対応しているのはフィリップスの照明「Hue」くらいでした。このあたりのスマートスピーカーと家電の連携については、また別の機会に詳しくレビューしたいと思います。
このほかラジオや音楽も聴けますし、Amazon Echo向けには月額380円で「Amazon Music Unlimited」の約4000万曲が聴き放題になるプランも用意されています。またAmazonで買い物をすることもできます。ただし読み上げられた商品名だけを聞いて注文するのはなかなか難しいので、いつも買っている商品を履歴から再購入するような場合におすすめ。音声で操作する「Amazon Dash Button」みたいな感じですね。さらにユーモアもあって、「何か面白いこと言って」と話しかければジョークも言ってくれるし、「お腹減った」と話しかければ、アンパンマンになりきって「僕の顔をお食べ」と、若干ぎこちない発音で返してくれたりもします。音声認識の精度は高く、ぼそぼそしゃべってもちゃんと聞き取ってくれる印象。「○○って何?」のような調べモノでは、検索の得意なGoogleアシスタントに及ばない部分もありますが、米国で先行してきたのは伊達じゃない、ちゃんと使えるスマートスピーカーになっています。
Alexaが話すジョークはアメリカンジョークから、なぞかけ、ダジャレまで幅広いのですが、先日ちょっとおもしろい現象が起きました。「面白いこと言って」という私のリクエストに応えて、Alexaが「先生、私には未来が見えるんです。病気でしょうか?」「その症状はいつからはじまりましたか?」「来週の木曜日からです」という、ちょっと高尚な小話をしてくれたのですが、その音に反応したすぐそばのClova(Clova WAVE)が、「すみません、よくわかりませんでした」と、漫才師の相方よろしく、絶妙なタイミングでツッコミを入れたのです!スマートスピーカーを近くに置いているからか、ClovaはよくAlexaの声に反応して話し始めるのですが、そのうちスマートスピーカー同士でコンビを組むのではないかと、密かに期待してるところです。

※ジェスチャー操作で便利になったXperia Touchを堪能!