今回初めて高額ヘッドホンを購入した。きっかけは、アルバイト先へ向かう通勤時間にストレスなく、時間をつぶせる方法はないかと考えたこと。どうせ買うなら長時間つけても耳が痛くならないもので、ノイズキャンセリングが搭載されたヘッドホンが欲しいと考えた。実際に店頭で見てみるとノイズキャンセリング付きのヘッドホンは3万円を越えるものがほとんどで、高いものは4万以上のモノもあった。
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その中で、BOSEのQUIETCOMFORT 35(39,960円)とソニーのWH-1000XM2(39,880円)の2つに候補を絞った。店頭で視聴したときはBOSEの方が音の広がりを感じて好みだった。ただ、主に電車の中での使用を想定していたため、ノイズキャンセリング機能を重点的に比較した結果、ソニーの方に軍配が上がった(想定していた予算を2000円オーバー)。また、ヘッドホンに搭載されているタッチパネルで音楽を操作できる事も満員電車の中で扱う上で便利だと感じた。
■メガネをかけている人にもオススメしたい
Bluetoothのヘッドホンを買う時にどうしても気になるのは、音質の劣化。通常Bluetoothでは音源を圧縮データとしてヘッドホンに送る。そのため、有線のヘッドホンに比べると音質が悪くなる(これは仕方のないこと)。
WH-1000XM2には、そんな音質の劣化を防いでくれる機能が2つある。1つ目は、ハイレゾコンテンツを劣化の少ない状態でBluetooth転送する「LDAC」機能。2つ目は、MP3コンテンツをハイレゾ相当の音質にアップスケーリングしてくれる「DSEE HX」という機能である。特に普段ハイレゾに対応していないiTunes Storeから音楽をダウンロードしている私にとって、音質のアップスケーリングは嬉しい機能。この機能のおかげでBluetoothとは思えない音の広がりを感じることができる。
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次に着け心地、イヤ―パットは柔らかく、多少動いた程度ではヘッドホンずれをおこすこともない。ヘッドホンの圧迫感もそれほど強くないのでストレスなく長時間つけることができる。また、ヘッドホンの質量も約275gと軽く、ヘッドホンで肩が凝るという人も気にせずに付けることができるはず。
特にオススメしたいのは、メガネをかけている人。通常、メガネをかけている人は、ヘッドホンとメガネの間に隙間が出来て音漏れをしてしまったり、雑音が入ってしまったりする。しかし、このヘッドホンにはノイズキャンセリングの最適化という機能があり、周囲の気圧やその人にあわせてノイズキャンセリング機能を調整してくれる。メガネをかけてヘッドホンをつけている場合には、メガネとヘッドホンの間にできる耳の隙間を感知して、その状態に最適なかたちでノイズキャンセリングを調整してくれる。
■ヘットホンをつけたまま会話をすることも可能?
なんといっても、WH-1000XM2 の特徴は業界最高峰のノイズキャンセリング機能だ。カフェや電車の中などの雑音が多い場所では、ヘッドホンやイヤホンを付けていても多少の雑音が入ってくる。しかし、WH-1000XM2ではカフェなどの小さい雑音はもちろんの事、電車の「ガタンゴトン ガタンゴトン」といった音まで聞こえなくなり、音楽の世界に集中することができる。
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また、こんな場面に遭遇したことはないだろうか。ヘッドホンを付けていて音楽を聴いていたら誰かが正面から挨拶程度に話かけてきた。普通なら、ヘッドホンを外すか、音楽を一旦止める場面だ。WH-1000XM2をつけている場合には、ヘッドホンの右側を手で覆い隠すことで、タッチセンサーが反応し、ヘッドホンに内蔵されているマイクが外の音を拾ってくれる。これにより、ちょっとした会話ならヘッドホンをつけたまま会話をすることができる(しかし、相手にはちょっと失礼かも・・・)。
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専用アプリを使うことで、ノイズキャンセリングの調整だけでなく、音楽の聞こえてくる方向を変更する機能や、5種類あるサウンドエフェクトを選び自分の好きな曲を加工する機能、こまかくイコライザーを変更する機能もついているので自分にあった調整をすることも可能になっている。
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また、電池持ちも非常によく4時間のフル充電で30時間連続使用することができる。その為、こまめに充電をするのが嫌という人にもオススメ。
■オンデマンド授業を受けている人にオススメ
WH-1000XM2は塾などでオンデマンドの授業を受けている学生にもオススメできる。このヘッドホンのノイズキャンセリング機能は音楽を聴いていなくても作用する。オンデマンドの塾では、個々で授業を受けているため、大きい音ではないが様々な環境音が授業に集中していても聞こえてくる。しかし、WH-1000XM2をつけていればノイズキャンセリングが雑音を消してくれるので授業により、集中しやすくなるはず。
■カラーバリエーションの少なさ、パネルの使いこなしに難あり
WH-1000XM2の前年度モデルのWH-1000Xではカラーバリューションは、ムーンリットブルー、ペールゴールド、グレイッシュブラック、トワイライトレッド、ホライズングリーンの5種類存在したが、現在WH-1000XM2でブラックとシャンパンゴールドの2種類しかなく、物足りなさを感じる人がいるかもしれない。
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また、ヘッドホンの右側を一度押すと音楽の再生と停止、左右にスライドさせると違う曲に、上下にスライドさせると音量調整ができる機能がある。この機能を使いこなすまでに少し時間が掛かった。特に、音楽を停止させるのは簡単にできるのだが、停止させてから再生させる操作には少しコツがいる。また、次の曲にいこうとすると曲が止まるなど慣れるまでは時間がかかるかもしれない。