【クリエイターの現場】第2回 ウェルプレイドのeSportsイベントは、なぜゲームプレーヤーに支持されるのか? 2ページ目 | RBB TODAY

【クリエイターの現場】第2回 ウェルプレイドのeSportsイベントは、なぜゲームプレーヤーに支持されるのか?

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【クリエイターの現場】第2回 ウェルプレイドのeSportsイベントは、なぜゲームプレーヤーに支持されるのか?
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■パッケージ価格は1000万超!一人でもオペレーション可能なライブビデオシステム

「Tricaster8000」のコンソールと2台の外部モニター
「Tricaster8000」のコンソールと2台の外部モニター


ーー機材はどのように使用するんですか

 これは「Tricaster8000」という機材で、画面上に動画やテロップなどを合成可能なチャンネルが8チャンネルあるライブビデオシステムです。Windowsベースのアプリケーションがインストールされています。

 これを使って、事前に準備した画面デザインやテロップなどを各シーンに合わせて切り替えたり、合成していきます。たとえば、対戦が始まる前には選手のプレビューを画面に出しておいて、対戦が始まると対戦画面に切り替える、みたいな感じです。

 映像は自由に大きさを変えたり、様々なエフェクトをかけたり、対戦者が向かい合うように2つの画面を並べたりして、画を作っています。対戦が終わると、実況解説に切り替える。CMが入る場合にも、これに動画を入れてプレイリストを作っておけば、「CM行きます、5、4、3、2、1、0」と、コンソールのスイッチで切り替えられます。テレビ番組からCMに入る作業と同じですね。

ーー8チャンネルをフルに使うこともあるのでしょうか

 はい、あります。過去に開催した「ストリートファイターV 」の企業対抗戦というイベントでは、3人対3人が同時にスタートしたため、すべてのシーンを切り替えるには8チャンネルでも足りない状況でした。このときは、事前にどのプレイヤーにフォーカスするのかといったことを決めて、8チャンネルをフルに使って配信しました。

最大8入力をコンソールのスイッチを使用して切り替える
最大8入力をコンソールのスイッチを使用して切り替える


ーー映像だけでなく音声もコントロールできるのですか

 「Tricaster8000」でも音を出せますが、イベントの規模によってはオペレーションが複雑になってしまうため、「Behringer x32」という別の機材を音響さんに使ってもらって音のバランスなどを見てもらっています。シーンを想定してCMのときには演者のボリュームを一気に下げる、といったグルーピングができるので、それをあらかじめ作っておくと、音関連を一台に集約して「Tricaster8000」と同じような使い方ができます。

 「Tricaster8000」は音のコントロールもエフェクト関連も一通りなんでもできて、一台ですべて完結できるのが良さでもあるんですが、いかんせんマニュアルが400ページ以上あって、完璧に習熟するのが難しいというのが悩みのひとつです。

音声関連をコントロールする「Behringer x32」
音声関連をコントロールする「Behringer x32」


ーー動画配信に必要なものは機材だけですか

 通信ネットワークも重要です。いま、スタジオで使用しているのは、国内で最速クラスの「NURO光」(下り最大10Gbps)です。マルチ配信の場合、通常の光回線だと帯域が足りなくなることがあるので、これは必須です。

 イベント会場によっては、こういった速い回線がない場合もあるので、そういうときはNTTさんに工事を依頼して、別途専用回線を引いてもらうこともあります。高画質での動画配信の場合は太い回線じゃないと、止まってしまったり、カクカクしたりしてしまって、データが送れないので。

ーー今後の展望や普段刺激を受けていることなどあれば教えてください

 最近テレビ番組の制作会社さんと一緒にお仕事させていただいていますが、かなり学ぶことは多いと思っています。実際にスタジオに行って、作業をしている姿を見ていると、自分たちにはまだ改善できるところがあるな、と気付きます。たとえば体制ひとつをとっても、ディレクターさんがVTR出しやテロップのタイミングを全部細かく指示していたりとか。映像配信の世界でノウハウを長年培ってきている方々ですから、よい刺激をもらっています。 



 今、国内にも少しずつプロゲーマーが出てきはじめています。そういったプロが増えてきて、彼らを見ている若い世代が「僕も活躍したい、僕もなりたい」と、どんどん増えてきているのが実感できている状況です。近い将来、囲碁や将棋と同じように、プロゲーマーが子どもたちの憧れの職業になる可能性はあると思います。

 もっと盛り上がっている海外の場合だと、大きな金額がかかった大会が毎月開催されていて、収入も安定してプロとして生活できる方も増えてきています。日本もそうなっていけるように、我々も活動していきたいです。

ーー本日はありがとうございました。


【ライブビデオシステム】
Tricaster8000
【サウンドミキサー】
Behringer x32
【PC】
OS:Windows 10
CPU:Core i7-6700 @3.40GHz 3.40
RAM:16GB
Graphic Board:NVIDIA GeForce GTX 1060 6GB
【グラフィックソフト】
Adobe Photoshop
Adobe Premiere
Adobe AfterEffects
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《浅井 英彦》

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