「訃報」のやり取りをスマホで……遺族の負担をテクノロジーで解決する | RBB TODAY

「訃報」のやり取りをスマホで……遺族の負担をテクノロジーで解決する

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「訃報」のやり取りをスマホで……遺族の負担をテクノロジーで解決する
「訃報」のやり取りをスマホで……遺族の負担をテクノロジーで解決する 全 8 枚
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訃報の連絡が、遺族の重荷に


 近しい人を亡くしたばかりの遺族にとって、「訃報」の連絡が重荷になっている。連絡手段としていまだに電話やFAXが主流となっており、その応対に大きな負担がかかるからだ。口頭での連絡となると正確性に欠け、伝え漏れも発生しやすい。

 一方、訃報を受け取る側にとってみると、その後のアクションが難しいという課題がある。仮に遠方で訃報に接した場合、弔電や供物はどうやって頼めばいいのか、まずそこから調べなければいけない。

葬儀業界にテクノロジーを


 こうした、喪家・会葬者、双方の負担を減らすべく、アスカネットが開発したWebサービスが「tsunagoo(つなぐ)」。同社CEOの福田幸雄氏は「葬儀業界にテクノロジーを持ち込んで課題を解決していきたい」と意気込み、「葬TECH」を提唱している。

スマホで訃報を確認できる


アスカネット 代表取締役社長兼CEO 福田幸雄氏
アスカネット 代表取締役社長兼CEO 福田幸雄氏


訃報の連絡、弔電や供物の発注までWeb上で完結する新サービス「tsunagoo(つなぐ)」


 “テクノロジー”といっても、「tsunagoo(つなぐ)」の仕組み自体は非常にシンプルなもの。葬儀社が喪主と打ち合わせの上で訃報のWebページを作成。喪主はそのページのURLをSNSやLINE、メールなどで縁故者に伝えればよい。訃報のページを受け取った側は、そこから情報を確認するだけでなく、弔電や供物の発注まで済ませることができる(供物等の発注ページは各々の葬儀社が作成する必要がある)。特に難しい技術を使っているわけではないが、情報のやり取りから供物の発注までをWebページ上で完結させることで、各種の雑多なやり取りが一気に省略される。

サービスの流れは非常にシンプル
サービスの流れは非常にシンプル


受け取った側の確認フロー
受け取った側の確認フロー


 Web上でやり取りをすることで、弔電や供物の発送者リストが自動で喪家に残るというのも非常に便利なポイント。誰からどんな弔電や供物を贈ってもらったのかという情報が、発送者の連絡先もあわせて自動で保存され、お返しを贈る際にも重宝するし、後々見返すこともできる。なお、供物の情報は価格を除いて保存されるとのこと。

弔電や供物の発注・発送が可能
弔電や供物の発注・発送が可能


弔電の申し込みがあれば、葬儀社でプリントアウトする
弔電の申し込みがあれば、葬儀社でプリントアウトする


 今回サービスを開発したアスカネット社は、遺影写真の作成および加工サービスで国内トップシェアをほこる企業。普段から全国の葬儀社と密なやり取りをしている中で、訃報や弔電にまつわる課題に気づき、サービス開発に至ったという。ちなみに同社はあくまで葬儀社に向けてこのシステムの導入を働きかける立場で、サービス主体は導入した葬儀社になる。そのため、仮に喪家が望んでも、その葬儀社が未導入の場合は「tsunagoo(つなぐ)」のサービスを利用できない点には注意したい。導入にあたっては特別な機材等は一切不要とのことで、アスカネットとしては全国の葬儀社に幅広く導入してもらうべく営業をかけていくとのこと。また、今後はさらに開発を進め、葬儀への出欠の確認や香典の送金といったこともスマホひとつで完結できるようにしたいと福田氏は語る。

 葬儀の現場で、「合理性」や「便利さ」を追求することに違和感を覚える人もいるかもしれない。しかし、一番身近であるはずの遺族が故人に思いを馳せる暇もなく、葬儀の準備に忙殺されてしまうのはやはりどこか間違ってるように思う。こうした課題に対して、テクノロジーをいかした様々な解決策が登場することを今後も期待したい。

※IoTの普及を加速させるか?フランス発の通信技術「Sigfox」とは

《白石 雄太》

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