松坂桃李「ここまで精神的に追い込まれた現場は初めて」とコメント
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
原作は2001年の直木賞候補となった石田衣良の恋愛小説。女性の欲望をありのままに描いた刺激的な内容と、女性たちに向き合うことで変化を遂げていく主人公リョウの姿が繊細な表現で描かれ、多くの女性から共感を集めた作品だ。
三浦大輔監督は、映画『娼年』での性描写について、「ひとつひとつの行為によって、どういう感情が沸き起こり、それを積み重ねることによって、人間と人間の間にどういうコミュニケーションの形が生まれるのか、丁寧に細かく、その解像度を高めて、描いていきました」とコメント。そのため、事前に全てのセックスシーンで画コンテを作成し、それをもとにスタンドイン(撮影の準備のために俳優の代理をする人物)によるビデオコンテを作成、更に松坂ら出演者による入念なリハーサルを実施したそうだ。これにより、俳優の身体の動きをこと細かくシュミレーションし、それに伴うカメラの位置を徹底的に検証した。5日間に及んだリハーサルでは試行錯誤が繰り返され、これまでの日本映画にはなかった、緻密な“肉体のコミュニケーション”をスクリーンに描こうとする試みは、その後の撮影や編集の段階でも追求されたという。
そんな撮影について、松坂は「ここまで精神的に追い込まれた現場は初めてかもしれません」とコメント。「(同作で)7、8年分の濡れ場をやった感じです」と語るなど、かなりの疲労感、それに伴う達成感に満ち溢れた様子だ。映画『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017年10月公開)で、舞台版「娼年」での濡れ場経験から、白石和彌監督やキャスト陣に濡れ場の“先生”と呼ばれていたことについて話が及ぶと、「濡れ場のプロフェッショナルとして、副業を見つけたかな(笑)。濡れ場監督とか。出演するのではなく、アクション監督のように監修が必要なところで呼ばれるみたいな。殺陣師?いや、濡れ場師!!(濡れ場師、かっこいいですね!という声に)新しいですね!エンドロールに“松坂桃李”とあって、あれ?どこに出てた?って。“濡れ場指導:松坂桃李”とか」と軽やかに笑った。
「“性描写”に関しては一切妥協しない」と言う三浦大輔監督とともに臨んだ松坂が、「舞台同様、無になりました」と語る映画『娼年』は、4月6日よりTOHOシネマズ新宿他、全国ロードショー。
《KT》
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