最初の事務所で撮影会をやるようになったのと同時進行で、私は自分がエントリーされていることも知らなかったのですが、ミス東スポ2014の書類審査に合格しました(笑) 私は九州出身なので「九州スポーツ」になるのですが、「えっ、ミス東スポって、あの九スポ(九州スポーツ)でしょ? バス通学をしていたときに、前の席に座っていたおじさんがニヤニヤしながら読んでいた、あの新聞では……」と思いました(笑) でも、あれよ、あれよという間に、グランプリを頂いてしまいました。
--- 2016年8月24日リリースのメジャーデビューとなるミニアルバムで全裸ジャケットをやりましたが、あれは、ご自身のアイデアだった?
そうです。私のグラビアには需要があるのだ、止めてしまうのはもったいないなと思って、グラビア活動は続けていました。グラビアには、写真集やDVDで手ブラをしたりなど、ヌードっぽくなっていく順序があるような気がして、このままグラビアアイドルを続けていたら、自分もその順序通りになるのかなと思っていました。それなら、メジャーデビューCDのジャケットで全裸になれれば本望だなと思いました。最初で最後のつもりだったので、「CDで脱げるなら本望です」と自分から言って、ポーズも自分で提案しました。
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--- 全裸ジャケットの反応は?
よくも悪くもいっぱいありました(笑) 中には「大丈夫なの?」と心配してくれる方もいました。当時は、最初で最後のつもりでしたし、話題にしてもらったので、「作戦、成功!」という気持ちがありました。
--- 全裸ジャケットの後に、ビキニライブをやりましたが、全裸ジャケットをやったことでご自身にどんな変化が起こった?
全裸ジャケットで、“さらけ出す”ということができたかなと思います。自分の秘密を言葉で言うよりも、全裸ジャケットはすべてをさらけ出しているので、ためらうことなく私という人間をそのままライブに持ち込むことができるようになりました。
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--- 藤田さんが書く歌詞は内面だったり自分自身に向けられていることが多く、目に見える外部の敵などが登場しない場合があると感じます。藤田さんにとっての“戦闘”は、どこに向けられた、何のための戦いなのですか?
フラストレーションがたまったときに、対象が私には見えないのです。批判している人の顔も分からなくて。でも、相手からは私が見えています。以前、「アウト・デラックス」(CX)という番組に出たときにマツコ・デラックスさんから「あなたは、落ちぶれていく人の代弁者になりなさい」と言われたことがあります。その言葉がズシンときて、もしかしたら、そういう人たちの代弁者になれるのかもしれないと思いました
--- 7月のバースデイワンマンライブは水着でやりますか?
ビキニで出るのだろうなと思っています。服を着るタイミングを完全に見失っているので(笑) 水着ライブをやめるときは、「グッバイ、脱衣ライブ」みたいにちゃんと区切って止めたいです。「もう脱がないぞ!」という日がいつかは来るのかなあと考えることもあります。水着ライブは叩かれることがあるのですが、話題にしてもらえたり、叩いてもらえたりしているうちは、この感じを貫くことができればと思っています。
--- 全裸ジャケットや水着ライブは、今となっては表現の一部になっている?
そう思っています。ブルーハーツさんとか、男性のロッカーは上半身裸で歌ったり、演奏したりする人がいて、なぜ女性でそうする人がいないのだろうと思っていました。「暑いから脱ぐ」という単純はことでよくて。今の私は「どう見えようが関係ないじゃん、だって服が煩わしんだもん」というところまで行きついてしまっています。もちろん色眼鏡で見られることもありますし、グラビア体形なのでエロい感じに見えてしまうかもしれないのですが、仮に私がすごく細くて、おっぱいがなかったとしても、全裸に行きついているのだなと感じています。
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--- 脱ぐことは、藤田さんにとっては、戦うことですか?
戦うことです。全裸ジャケットも、水着ライブも、目に見えない何かと戦っているのだと思います。ライブで戦い終えて、疲れ切って、「今日はいいライブができた」と思えることが生きがいです。
-これからも、“脱げるシンガーソングライター”は絶好調?
絶好調です!