現在は北野作品の常連でもある津田だが、その出会いは今から25年前。彼が、映画などの編集スタジオに併設されている喫茶店のウェイターとして働いていたときだったという。
ある日、店の経営者の女性から「映画の最後の編集のときには武さんが来店する」と告げられたのだとか。そこで津田は、実際に北野が来た際、プロフィールを渡すことに成功。ただその後1年間、何の連絡もなかったという。
ところが、明日から映画『ソナチネ』のクランクインというとき、北野がスタッフと一緒に喫茶店にやってきたそう。経営者の女性は「うちの子は1年間待ってたのにオーディションも呼んでもらえずに明日からクランクインって、見損ないましたよ」と激怒。
すると北野は「ごめんね」と言ってスタッフとの打ち合わせをはじめるも、しばらくすると「あんちゃん出番だよ」と津田を呼ぶと、その場で急きょ1シーン追加。それは、北野が喫茶店で派手ないでたちをしている津田に「ウェイターならウェイターらしい格好して働けコノヤロー」と言うもので、「あんちゃんのアップ映すから」とも言ってくれたのだとか。津田は、「それがすべての始まりでした」としみじみと語っていた。