【CP+2019】富士フイルムのAI搭載会員制サービス「PhotoBank」の魅力 | RBB TODAY

【CP+2019】富士フイルムのAI搭載会員制サービス「PhotoBank」の魅力

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【CP+2019】富士フイルムのAI搭載会員制サービス「PhotoBank」の魅力
【CP+2019】富士フイルムのAI搭載会員制サービス「PhotoBank」の魅力 全 3 枚
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 カメラと写真映像の国際見本市「CP+2019」。今回はメーカー各社のミラーレス一眼カメラが注目を集めたが、富士フイルムのブースで興味深いサービスの展示を発見した。AIを搭載したクラウド型の写真サービス「PhotoBank(フォトバンク)」だ。

 スマホ版アプリからリリース予定のPhotoBankは、会員制のサービス。クラウド上で富士フィルム独自のAIが写真を解析し、一枚一枚を分類・保存。ユーザーは自由なタグ付けを行うことができ、日付情報の追加・編集も可能。人物にはそれぞれ名前を登録することができ、登録した人物には自動でタグ付けが行われる。もちろん、ジャンルごとに写真をまとめるアルバムの作成も可能だ。

 同じ構図で撮った複数の写真から最もいい写真をAIが選び、他の物を非表示にすることができたり、ピンボケ・手ブレ・白飛びなどしている写真は「悪い写真」として非表示にすることもできるなど、無料オプションが手厚い。

 そもそも、どんな発想からPhotoBankの企画・開発はスタートしたのか。ブースで話を聞くことができたスタッフは、同社が写真のプリントサービスと並行して、AIの開発に取り組んできたとしたうえで「AIをもっと活用できるんじゃないかという思いが、PhotoBankのスタートにありました」と明かす。

 世の中には他にも、写真を扱うクラウド型のサービスがあるが、それらはデジタルデータを対象としたものだ。富士フイルムは、フィルム写真のスキャンサービスをPhotoBankと組み合わせ、デジタルのみならず、フィルム写真のデータを一元管理することを強みとしている。フィルムや写真、アルバムを富士フイルムのラボに送ることで、スキャンによるデータ化及びクラウドへのアップロードを行ってくれるのだ。

 別のスタッフは、写真の分類に国内メーカーである富士フイルムならではの強みがあると誇らしげに語る。「日本の年間行事やライフイベント、例えば七五三や七夕、そういったものは、Googleやアップルのサービスではまだ認識できないものなんです。日本のローカルなイベントというのは、富士フイルムでしかできないものですね」。

 今日では、インスタグラムをはじめとするSNSにアップする前提で写真を撮る人が多いが、PhotoBankは既存のSNSとの差別化として「閉じた世界」を掲げているとのこと。スタッフは「インスタグラムはある意味、世界に対して発信していくという要素を含んでいると思います」としたうえで「我々は、写真が本当にパーソナルで大切なものだと思っていますので、親しい間柄、家族や親せき、仲の良い友人でグループを作っていただいて共有していただくというコンセプトになっています。共有という考え方で言うと、閉じた世界を想定しています」と語る。

 クラウドサービスで心配になりがちなのが、バックアップ体制。PhotoBankでは、クラウド上ではメインサーバーとサブサーバーによって写真のデータを三重保管し、さらにICT企業や研究機関などで採用されている磁気テープによる保管も行う。もし災害発生によってデータセンターが被災した場合でも、写真を復旧することが可能となっているのは、ユーザーにとって非常に心強い。

 価格も気になるところだが、5ギガバイトまでは無料。一般ユーザーなら十分な容量だろう。有料プランでは、25GBプランが190円/月、50GBプランが380円/月、100GBプランが750円/月、以降50GB毎に+370円/月となっており、大きな負担にはならない。

 現在は4月~5月のリリースを目指して鋭意開発中とのこと(ウェブサービスは2019年夏にリリース予定)。フィルム写真の一元管理を望むカメラマンや、写真共有SNSに疲れを感じていながらも写真をウェブ上で簡単に整理したいと考えているカメラユーザーは少なくないだろう。そういった人々が食いつくかどうか注視したい。

《岸豊》

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