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AIカメラから3Dホログラムまで!KDDIが5G対応ソリューションを来年3月から提供

IT・デジタル ネタ
KDDI ビジネスIoT企画部長 原田圭悟氏
KDDI ビジネスIoT企画部長 原田圭悟氏 全 9 枚
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■年齢・性別に、一人一人に合わせた広告を

「Intelligent Display」のデモ。5G回線を利用した右のディスプレイは男性向けの広告を表示しているが、4G回線を利用した左のディスプレイは表示が変わるのに時間がかかる

 「Intelligent Display」は、先に紹介したAIカメラをマーケティングに活用したソリューションといえるだろう。カメラの前に人が立つと、性別や年齢を分析。例えば、男性ならビール、女性ならデザートというように、属性に合わせたコンテンツを表示する。

 なお、AIの学習データについては、すでに約100のエンジンがあり、それを用途に合わせて提供していくという。先にも紹介したようなローカルな構成では、AI学習が個々の店舗で完結していた。しかし、クラウド上のAIを利用すれば、データが一括して集まるようになり、学習能力の向上が期待できる。

 「Intelligent Display」は、すでに鉄道会社から、構内の広告に使いたいという声があったという。急な事件を素早くメンバーに知らせたいという、マスコミ関係からの引き合いもあったようだ。

「3Dホログラム」のデモ。モーションセンサーでツボを掴み、見る方向を変えられる

 また、広告ということであれば、ゴーグルなどを利用しなくても、映像を立体的に表示できる「3Dホログラム」も有効だ。5Gを利用することで、よりリアルな映像を表示できるという。

 デモでは美術館での利用を想定して、ツボを3Dホログラムで表示していた。4Gと5Gの映像比較を行っていたが、4Gでは画素の荒さが目立ち、一目で映像だと分かる。さらに、このツボはモーションセンサーによって、「掴んでひっくり返し、裏側を見る」といったこともできたが、その動きも5Gはスムーズだった。当日は不具合で試せなかったが、超音波によって“物に触った”という触感を再現でき、よりスムーズにモーション操作ができるようになるという。

 なお、発表会が行われた「KDDI DIGITAL GATE」では、今年11月より5Gトライアル環境を提供していくとのこと。セミナーも基本的なものから、深い領域のものまで、さまざま実施されており、コンサルティングも行っているという。

■AIカメラや3Dホログラム、気になる費用は?

 原田氏は同社の5G対応ソリューションについて、「ワンストップで提供できることが強み」だと、壇上でたびたびコメントしていた。

 KDDIでは遡ると2001年にセコムと共同で、携帯電話用救急通報サービス「ココセコムEZ」を提供。以降、20年に渡って固定回線も含めた通信ネットワーク、センサー・デバイス、データ活用クラウドなどのIoTソリューションを提供してきた。これに、トイレ空室管理、作業員のみまもり、Pocket GPS、スマートドローンといった用途別パッケージ「KDDI IoT クラウドシリーズ」を含めた各ソリューションについては、順次5Gに対応していくという。

 なお、先ほど5Gにおけるコスト面でのアドバンテージの話があったが、今回発表されたソリューションは、以下の価格でのパッケージ提供を予定しているという。こうしたソリューションを個別に手配せず、申込書1枚で申し込めるのも、サービスを一貫して提供するKDDIならではの魅力となりそうだ。

・AIカメラ……月額4万円~(サーバ1台あたり)+月額1万6000円(カメラ1台あたり)
・Intelligent Display……月額4万9000円(1台)
・3Dホログラム……月額7万7000円(1台)

 「AIは通常数百万円からですが、スモールスタートとしてお客様に合わないと考え、徹底的に月額化して提供することにしました。5Gの料金は現在まとめているところで、2020年3月には回線込みの月額料金での提供も考えています」

 ただ、カメラの映像を随時クラウドで確認するとなると、膨大な量の通信が発生するため、例えば30秒ごとに映像をあげるなどの運用を考えているという。使い放題なのか、従量制なのかについても、最適なパラメーターを現在組んでいる途中とのことだ。

 また、AIカメラについては、店舗の光回線を利用するという選択肢も考えられるが、これについては「1店舗ごとに固定回線を入れるのも大変なので」と話したうえで、コスト的にメリットがあるかという質問には「はい」と答えていた。

■5Gに先駆け、まずは4Gでのつなぎ運用も可能

KDDIでは2020年3月より5G回線を提供

 KDDIでは2020年3月から5G回線を提供。当初は4Gと併用しながらエリアを広げていき、2020年には5Gのみのスタンドアローンで回線を提供していく計画だ。

 ということは、5G対応ソリューションを利用できるようになるのは、5G対応エリアになるのを待つ必要があるのだろうか? これについて原田氏は、「4G向けのメニューも準備している」と話している。

 「デモでもご覧になっていただけますが、4Gでもできないことはない。ただ、分析などの品質が落ちると分かっているので、それでもいいというお客様には、4G向けのメニューも準備しています。高精細でクイックなのは、やはり5Gです。法人のお客様からはご要望をいただければ、エリアを作っていくというやり方も考えています」

 顧客の分析や混雑状況の見える化などができる「AIカメラ」が、AIによる解析も含め、月額5万6000円で提供するというのは、なかなか魅力的に思われる。もちろん、これに回線費用が加算されるわけだが、2020年の時点で5Gのエリアと料金が見えてきたら、導入を検討するのはアリではないだろうか。
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《とびた》

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