サムスン、ボール型で自走する生活アシスタントロボット「ボーリー」を公開 | RBB TODAY

サムスン、ボール型で自走する生活アシスタントロボット「ボーリー」を公開

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「Ballie」(ボーリー)(c)Getty Images
「Ballie」(ボーリー)(c)Getty Images 全 6 枚
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 呼びかけると自分の所に寄ってきて、対話によりアシスタントになってくれるという次世代のコンパニオンロボットがサムスンのコンセプト製品「Ballie」(ボーリー)。AIや5Gなど様々な新技術がテーマだったCES2020の展示の中で、Ballieは目玉と感じられる製品だった。もはやAIは特別な技術ではなく、生活を身近でアシストしてくれる当たり前の技術になろうとしている。

サムスンのインテリジェンスなコンパニオンロボット「Ballie」


 Ballieは手のひらに乗せるとやや大きいサイズのボール型のデバイス。バッテリーを内蔵し、2つのホイールにより自走する。マイクとカメラを内蔵しており、マイクはユーザーの声を認識。「ボーリー、こっちにおいで」と話しかけると自分のすぐそばまで走り寄ってくる様はまるでペットのようでもある。

声をかけると近寄ってくれる


 Ballieにはカメラとマイク、センサーが内蔵されている。また無線により家庭内のスマート機器やスマートフォンとも接続される。Ballieのある生活は、まずは起床時間になるとBalieがスマートカーテンに指示を出し、ベッドルームのカーテンを自動であけて快適な目覚めを提供してくれるところから始まる。



 Ballieのカメラはオブジェクト認識にも対応しているので、話しかければ音源を元に自分のそばまで自走してくる。そしてカメラを通じて顔認識を行い、誰に呼ばれたかを認識するわけだ。「今日の予定を教えて」と話しかけると、呼び出した人の予定をリビングのスマートTVや、キッチンにいればスマート冷蔵庫の扉に、また洗面所にいればスマートミラーに表示してくれるのである。「音楽を聞かせて」と伝えれば好みの音楽やプレイリストをそれらのスマート機器から再生もできる。当然ビデオやTVを放送することも可能だろう。

今日の予定を聞くと「花に水をやる」とスマートTVに表示された。そこで水をやるとその動きを認識して、水やりの予定が「作業済」として処理される


 また外出中はBallieが自動的に自宅内を移動し、カメラを使って室内の情報収集を定期的に行ってくれる。Ballieのカメラが床に汚れた部分を見つければ、自走式スマート掃除機に指示を出し自動で掃除を行う。またペットがいればBallieのカメラが動きを感知し、映像でペットの様子を外出中の家主のスマートフォンに送ってくれるのだ。

 このようにBellieは室内や人などを認識するセンサー機能を備えた上に、最近流行りのスマートスピーカーによく似た機能を持つ。だがスマートスピーカーと違うのは呼びかけに応じて近寄ってくれるし、不在時は自動で室内を動き回って環境情報を収集してくれる。スマートスピーカーは部屋に固定しておく装置であり、必要ならば部屋ごとに設置が必要だ。しかしBallieは自走するため1家に1台あればいい。これは「固定電話」と「携帯電話」の違いと考えるといいだろう。グーグルやアマゾンのスピーカーは固定電話のように決まったところに設置する。しかしBallieなら室内どこに移動しても利用できるのだ。

家の中のどこからでも声をかけて近くまで呼び出せる


 Ballieのような自走式AIロボットは他社でも作り上げることはできるかもしれない。しかしサムスンはスマート家電やホームセキュリティーセンサーなどをすでに多数製品化しており、「Smarthings」の名前で販売している。前述した例にあげた、扉にディスプレイのついたスマート冷蔵庫や、ドアの開閉を認識するセンサーなどはすべて自社製品で提供している。つまりサムスンの提供するスマートホーム、スマートライフ製品の結びつきをより強固なものにし、生活を豊かにサポートしてくれるのがBallieなのだ。

 これまでのスマートホームは家電やセンサーを連携させ、それをスマートフォンやスピーカーから指示したり、情報を受ける取ることに各社は注力してきた。しかし音声AIスピーカーに「キッチンの掃除をして」と伝えれば自走式掃除機が走り出して掃除をしてくれるものの、実際にキッチンの床が汚れているかどうかは人間が目で判断しなくてはならない。Ballieは家屋内を人に代わって常に監視し、さらにBalieを呼び出したユーザーを認識することで最適な情報をアシストしてくれるのである。

スマートスピーカーに変わる、新しいアシスト家電と言える


 Ballieは音声AIやスマート家電が日常生活の中で当たり前に使われている時代に向けた、新しいカタチの生活アシスタントロボットと言える。今後どのような形で実際に製品化されていくのか気になるところだ。

(TEXT:山根 康宏)

《RBB TODAY》

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